「机の下で銃の再装填聞いた」記者が惨劇をツイート

By 太田清

銃撃事件に対応する警察関係者=28日、米メリーランド州アナポリス(ロイター=共同)

 米国でまた乱射事件が起き、少なくとも5人が死亡、数人が負傷した。重体の人もいるという。襲撃の対象となったのは新聞社で、記者らはふだんは仕事などで使うツイッターに次々と事件の恐怖の体験を書きこんだ。 

 米東部メリーランド州アナポリスの新聞社キャピタル・ガゼットの事務所に28日、銃を持った男が押し入って発砲。英紙ガーディアン(電子版)などによると、最初に事件についてツイートしたのはアンソニー・メッセンジャーさんという人物でキャピタル・ガゼットの実習生とみられる。新聞社の住所を書きこんだうえで「だれかが銃を撃っている。助けてください」と書き込んだ。

  すぐに、現場にいた同紙の事件担当記者フィル・デービスさんが「男が事務所の外からガラスのドアを撃ち、複数のスタッフに発砲した。だれかが死んだとは言いたくないけど、残念だ」と書き込んだ。デービスさんは続けて「人が撃たれているのに、机の下に隠れて犯人が弾丸をこめ直すのを聞くほど恐ろしいことはない」とツイートした。

  デービスさんはその後のツイートで「私は安全です。警察の聴取を待っている」と伝えた。 

 カメラマンのジョシュア・マッケローさんは「私は安全だ。現場にいなかった」と伝えた後、新聞社に向かった。すぐに、新聞社周辺を警戒する重武装の警官らの写真を投稿。「多数の警官が銃撃事件に対応している」とも伝え、その後「心が痛む」とツイートした。 

 犯人は白人の男で、自ら投降した。使われたのは散弾銃で、現場に爆発物があるとの情報があり、警察の爆発物処理班が出動した。トランプ米大統領はツイッターで「私の思いと祈りは、事件の犠牲者とその家族らとともにある。事件にすぐ対応した警官らに感謝したい」と哀悼の意を示した。 (共同通信=太田清)

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