岡部、「杭頭部と基礎コンクリート一体化工法」の高耐力化で追加評定

 総合建材メーカー、岡部(社長・廣渡眞氏)は28日、杭頭部と基礎コンクリートの一体化工法「クラウンパイルアンカー」の追加評定(BCJ評定)を取得したと発表した。これにより、杭頭接合部のさらなる高耐力化を図ることが可能になるなど適用範囲が広がる。今後、積極的に拡販し、中期的に年間5億円の売り上げを目指していく方針。

 本製品は、外殻鋼管付きコンクリート(SC)杭の杭鋼管部に杭頭アンカーを接続する杭頭金物を工事現場で部分溶けこみ溶接して杭頭金物と杭頭アンカーを一体化するSC杭用杭頭接合工法。アンカー端部に定着板を設けることで定着長を短くでき、基礎となるパイルキャップ・フーチングの根切り深さを浅くできる。またアンカーを杭に対して拡径配置することで、梁主筋などとの干渉を避けやすく曲げ耐力も増加することからアンカー数量を減少、基礎部の過密配筋を解消できる。

 さらに溶接性の優れたJIS材(SN490B)に開先加工を施しているため、溶接品質を確保できるほか熟練工が不要で、少人数施工が可能となるため、大幅なコストダウンを図ることが可能だ。市場からの評価は高く、15年の販売開始から昨年末までに100件を超える採用実績を有する。今回の評定では高強度鉄筋(D38、SD490)を追加。また、杭頭を基礎へ埋め込むことによる支圧曲げ抵抗を考慮した設計法を採用することで、高耐力化の実現が可能となった。今後も現場の工期短縮や省力化に寄与する製品として積極的に展開していく方針。

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