東チタとタツタ電線の株式、JX金属が親会社から取得 電子分野などでシナジー

 JX金属は、親会社のJXTGホールディングスが保有する東邦チタニウムの株式(株式総数の50・38%)およびタツタ電線の株式(同36・80%)を取得すると発表した。取得額は東邦チタニウム株式が約346億円、タツタ電線株式が約130億円。各社の既存事業にとどまらず、それぞれの技術や知見など経営資源を結集し、有機的かつ機動的に活用することで金属ペーストや次世代半導体材料といった新規事業におけるシナジー効果をよりスピーディーに発揮するのが目的。

 JX金属は、中期経営計画(17~19年度)において「技術立脚型事業群としての電材加工事業の育成・強化」を重要施策の一つに掲げている。その一環として東邦チタニウムおよびタツタ電線と直接の資本関係を持つことにより、JXTGグループにおける金属事業のダウンストリーム分野のより迅速かつ効果的な事業展開につなげる。

 銅箔や半導体ターゲットを手掛けるJX金属の電材加工事業、世界有数のタンタル・ニオブ粉供給者であるドイツ子会社「HCS・TaNb社」、ニッケル粉などを手掛ける東邦チタニウム、導電性ペーストを手掛けるタツタ電線というJX金属グループでのシナジー創出を図り、本格的なIoT・AI社会の到来に伴う需要拡大に対応していく考え。

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