「両県一体で課題解消を」 長崎経済同友会、佐賀側に要望

 九州新幹線長崎ルートを巡り、長崎経済同友会は28日、佐賀経済同友会に対し、全線フル規格での整備実現に向け、「他の地域に遅れることなく、佐賀、長崎両県の関係者が一体となって課題解消を」と連携を呼び掛けた。
 出席者によると、佐賀側は、財政負担増のほか、福岡への通勤客にとって新幹線開業に伴う特急列車の便数減や値上げといったデメリットがあると指摘。全線フルを推進する環境にないと現状を伝えたという。
 長崎側代表幹事の坂井俊之氏(協和機電工業会長)、森拓二郎氏(十八銀行頭取)らが佐賀市を訪問し、佐賀側代表幹事の陣内芳博氏(佐賀銀行会長)、中尾清一郎氏(佐賀新聞社社長)らと面談。長崎側が提出した「ご協力のお願い」とする文書では、全線フルの整備効果を強調する一方、財源確保や並行在来線維持といった課題を挙げ、問題解消を国に求めるなど整備推進へ連携するよう理解と協力を求めた。
 終了後、坂井代表幹事は取材に「今回共有した課題に対し、われわれがどう動き、どう解決していくか、今後も意見交換することで一致した」と話した。

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