福田酒造「純米 山田錦」フランスで栄冠 穏やか、食中酒に最適 

 福田酒造(長崎県平戸市)の日本酒「福田 純米 山田錦」が、5月にフランス・パリであった酒の品評会「KURA MASTER(蔵マスター)」の純米酒部門で長崎県内で唯一、最高賞のプラチナ賞に輝いた。
 「KURA MASTER」は、日仏両国でつくる運営委が、フランスでの日本酒普及を目的に2017年から開催。現地の食に合う「純米酒」「純米大吟醸・吟醸」「にごり酒」の三つの部門に日本国内の蔵元から計605点が出品され、ソムリエやホテル料理長ら約50人が審査した。
 「福田 純米 山田錦」は、福田詮社( あきら )長(66)の長男、竜也さん(35)と次男、信治さん(32)が昨年12月に仕込みを始めた。
 米は市南部の契約栽培農家が作った山田錦。「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産「平戸の聖地と集落」に含まれる安満岳の湧水を仕込み水に使った。
 出来上がった酒は、米の香りとうま味が調和。審査員からは「食事を邪魔しない穏やかな味が食中酒に適している」と評価され、プラチナ賞の10点の一つに選ばれた。
 「純米大吟醸・吟醸」部門に出品した「福田 純米吟醸 山田錦」も第2位に当たる金賞を受賞した。
 信治さんは「平戸の米や水、人が造る酒が世界で認められうれしい。さらに高みを目指し町おこしにつなげたい」と話した。
 720ミリリットル入りで「純米」1404円、「純米吟醸」1674円(いずれも税込み)。1・8リットル入りもある。同酒造(電0950・27・1111)。

プラチナ賞に輝いた「福田 純米 山田錦」を手にする福田竜也さん(右)、信治さん(左)兄弟。中央は父親で社長の詮さん=平戸市志々伎町、福田酒造

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