「潜伏キリシタン」世界遺産決定 背後にある歴史に思いはせてほしい カトリック長崎大司教区 高見三明大司教

 カトリック長崎大司教区の高見三明大司教(72)は30日、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界文化遺産登録決定を受け、談話を発表した。

高見三明大司教

 談話では、「潜伏キリシタン遺産が世界中の人に価値を有すると認めてもらい、大変ありがたく思う。尽力してくれた全ての方々に心より深く感謝申し上げる」と登録決定を喜んだ。
 江戸幕府の厳しい禁教政策の中で潜伏キリシタンが信仰を継続したことについて、「信者たちは為政者にあらがわず、声に出さずとも信教の自由という基本的人権を貫き、この世の限りのものよりも神への信仰を優先させ、永遠に価値あるものを希望し続けた。彼らの生き方は崇高でさえある」と評価した。
 今後は構成資産内の教会を訪れる観光客増加が予想される。「教会を訪れるとき、背後にある人々の歴史に思いをはせ、心の糧にしていただければ幸い」とし、「拝観の際のマナー順守はもちろん、文化財としての教会保全のために皆さま方の支援をよろしくお願い申し上げる」と呼び掛けた。

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