29歳で1000安打達成の広島・丸 高まる2000安打への期待と2季連続MVP

広島・丸佳浩【写真:荒川祐史】

今季広島では石原も1000安打達成

 広島の丸佳浩外野手は、6月30日敵地・DeNA戦で3回に迎えた第2打席で、ルーキー東克樹投手から左中間に安打を放ち、通算1000本安打を達成した。

 NPBでは、これで293人が達成した1000本安打だが、丸はまだ29歳。昨年セ・リーグMVPにも輝いた好打者で、今後も安打を量産することが期待できる。

 これまで広島で1000本安打を記録した打者は22人いる。()は広島での実働期間 ※は現役

1 衣笠祥雄 2543安打(1965-1987)
2 山本浩二 2339安打(1969-1986)
3 前田智徳 2119安打(1990-2013)
4 野村謙二郎 2020安打(1989-2005)
5 高橋慶彦 1741安打(1975-1989)
6 正田耕三 1546安打(1985-1998)
7 緒方孝市 1506安打(1988-2009)
8 山崎隆造 1404安打(1978-1993)
9 東出輝裕 1366安打(1999-2012)
10 水谷実雄 1352安打(1966-1982)
11 新井貴浩 1327安打(1999-2007、2015-)※
12 山本一義 1308安打(1961-1975)
13 古葉竹識 1294安打(1958-1969)
14 三村敏之 1245安打(1967-1983)
15 金本知憲 1179安打(1992-2002)
16 大和田明 1094安打(1958-1968)
17 栗原健太 1082安打(2002-2013)
18 藤井弘 1035安打(1955-1969)
19 江藤智 1014安打(1989-1999)
20 石原慶幸 1002安打(2002-)※
21 丸佳浩 1001安打(2010-)※
22 小早川毅彦 1000安打(1984-1996)

 最多安打は今春に急逝した衣笠祥雄。続いて同時代の強打者、山本浩二が続いている。

 今季、広島では石原慶幸が1000本安打を記録している。石原は広島の捕手で最多安打。なお、昨年まで在籍していた梵英心は、1000本安打にあと10本に迫った990安打で広島を退団し、今季は6月から社会人エイジェック硬式野球部に選手兼任コーチとして所属している。

今オフにはFA取得、去就にも大きな注目

 丸は千葉経大附属高から2007年に高校ドラフト3巡目で広島に入団。高校時代は投打で活躍したが、広島では外野手に専念。2010年に1軍に初出場し、翌2011年にレギュラー外野手として抜擢された。当初は打率は.240台と低く、確実性の少ない打者だったが、2014年に初めて3割を打ってから成績が安定。長打も増えて中軸打者になった。打撃に限らず走塁や外野守備でも貢献度が高く、昨年は自身初のMVPを受賞した。

 今季は4月28日の本拠地・阪神戦で負傷し、現役2位だった連続試合出場記録を「700」でストップさせた。右太もも裏の筋挫傷で1か月近くの2軍調整となったが、5月26日に復帰してからは、90打数30安打、打率.333と絶好調。今季通算打率も一気に大台をクリアした。

 広島がこのまま3連覇を果たせば、丸はMVPの有力候補になるだろう。2年連続MVPとなれば、広島では初の記録だ。

 29歳になったばかりの丸は、今後も安打記録を積み上げていくだろう。今年のセの首位打者争いは混戦模様だが、初の首位打者の可能性もある。順調ならば、あと7年程度で2000本安打に到達する。

 今オフにはFA資格を取得する。今や広島の顔となっている丸だが、その去就も大きく注目されるところだ。丸佳浩は、今後もいろいろな意味で目が離せない存在だ。

(Full-Count編集部)

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