トロロッソ・ホンダF1密着:ガスリーとハートレーの予選結果に明暗、わずかなミスが命取りに

 金曜日のレポートでも書いたように、1周が短いレッドブルリンクでは、わずかなミスも許されない。土曜日の予選ではそのわずかな差がピエール・ガスリーとブレンドン・ハートレーの明暗を分けた。 

「初日のフリー走行のデータを分析する限り、今回オーストリアGPに持ち込んだ新しい空力パッケージが予想通りの挙動を示しているので、土曜日からは2台ともに新しい空力パッケージで臨むことになるだろう」と、金曜日のフリー走行後にジョナサン・エドルズ(チーフレースエンジニア)が語ったように、フリー走行3回目からはトロロッソ・ホンダの2台は新しい空力パッケージでセッションを開始した。

 しかし、セッション終盤にハートレーが最終コーナー手前の縁石でフロントウイングを破損してしまう。

「スペアパーツが足りなくて、僕の予選では旧型のフロントウイングを使用することになった」というハートレー。今回、トロロッソはフロアも新しくしているが、フロアにダメージはなかったため、フロントウイングだけ旧型に戻した。

2018年F1第9戦オーストリアGP ブレンドン・ハートレー

 しかし、ガスリーが客観的な根拠があって言ったことではなく、「セッション後にエンジニアからデータを見せられて、最新の仕様にしない理由がなかった」ため、空力パッケージもパワーユニットも最新の仕様で予選に臨んだ。

 Q1を13番手で通過したガスリーはQ2で2回アタックした。しかし、最後のアタックではセクター1は1回目のアタックより速かったが、セクター2と3で1回目のタイムを上回ることができず、自己ベストを更新できないまま12番手で予選を終えた。

「僕は自分のラップに満足しているし、マシンが持っているポテンシャルを最大限発揮できた。今日はトップ10には手が届かなかった」とガスリーは予選を振り返ったが、ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは、違った見解を示した。

「フランスGPほどひどくはありませんが、まだちょっとスタビリティだったり、トラクションのかかり具合だったり、バランス変化などに関して、ドライバーが満足していない部分がありました。それは車体のセッティングの話だけでなく、予選におけるパワーユニットのスペシャルモードに関しても言えます」

 日曜日のレースだけでなく、次戦イギリスGPに向けても、トロロッソ・ホンダがやるべきことはまだまだある。

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