【MLB】平野佳寿はメジャー日本人の中で「最高の投手」 地元紙絶賛、監督も「賛成」

セットアッパーとして活躍を続けるDバックス・平野佳寿【写真:AP】

25戦連続無失点の球団記録樹立も…記念のボールもらわず!? ロブロ監督は「衝撃」

 ダイヤモンドバックスの平野佳寿投手が圧巻の活躍を続けている。29日(日本時間30日)の本拠地ジャイアンツ戦で2/3回を無安打無失点に抑え、球団新記録の25試合連続無失点を達成。トーリ・ロブロ監督は絶大な信頼を寄せており、地元での注目度もグングンと上がっている。

 平野についての特集を組んだのは、地元紙「アリゾナ・セントラル」だ。記事では、メジャー記録であるジョー・ディマジオの56試合連続安打と平野の記録は「全く違うもの」としつつ、本人がディマジオについて「知らない」と通訳を介して答えたことを紹介。さらに、この記録が「目標」ではなく、「チームの成功が何よりも重要」だと平野が話し、25試合連続無失点を記録した時の最後のボールをもらうこともなかったという事実も伝えている。

 記事によると、ロブロ監督は平野が記念のボールを受け取らなかったことに「衝撃を受けている」という。そして、指揮官の数々の言葉からは、セットアッパーに対する絶大な信頼が伝わってくる。

「球団記録更新は素晴らしいことだと思う。しかし、だから彼は非常に素晴らしいのだろう。彼は大舞台での経験がある。WBCでは日本代表だった。日本では大事な試合で登板している」

「彼は常に準備ができており、動揺することがない。結果によって認められるのだと彼は理解している。同僚も伝えている、良い仕事をしているとね」

「我々は当たり前のように期待してしまう。彼が登板してスリーアウトを記録すると思ってしまうんだ。彼は完璧なゲームプランを持っている」

「正当に評価することは難しい。でも非常に素晴らしいことだ。メンタルが非常に強い。彼は全く(記録について)考えないのだから」

同僚も絶賛「チームにとって極めて重要」「本当によくフィットしている」

 回の頭からでも、イニング途中のピンチの場面でも、平野は顔色ひとつ変えずにマウンドに上がり、仕事をこなす。監督として、こんなに使い勝手のいいリリーバーはいないだろう。そして、その起用に応えて約2か月も無失点に抑えてくれているのだから、まさに文句のつけようがない。

 今季レイズから加入し、クローザーを務めているブラッド・ボックスバーガーは記事の中で「チームにとってヒラノは極めて重要だ」「彼はクラブハウス、そしてブルペンに本当によくフィットしている」と同僚を絶賛。監督、そしてチームメートから信頼されている様子が伝わってくる。そのパーソナリティーもチーム内で受け入れられ、同僚と良好な関係を築いているようだ。

 圧巻の活躍を見せた2013年に上原浩治投手がマークした27試合連続無失点の日本人記録までも、あと「2」。今季は日本人投手が次々と故障離脱したり、マイナー落ちや戦力外通告を経験しているだけに、平野のパフォーマンスは際立っている。

 同紙は「最近来た日本人投手の怪我や不安定さを考えると、ヒラノは彼らの中で最高の投手だと思われる。少なくとも、ここまでは」と指摘。ロブロ監督も「賛成だ。全面的に賛成だよ」「残りの選手は注目され、オールスター候補や新人王候補になることを願っている。まだ残りは長い。しかし、彼は本当に良い投球をしている。彼は注目に値する」と話したという。

 1つ1つの積み重ねが、大きな成果となり、偉大な記録となった。無失点はどこまで伸びていくのか。平野がスポットライトを浴びている。

(Full-Count編集部)

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