食道がん治療に新手法 県内初導入 福島医大

 福島医大付属病院の内視鏡診療部は、放射線治療後に食道がんが残ったり、再発したりした患者らを対象に特殊なレーザー光を照射して腫瘍を壊死(えし)させる治療法を県内で初めて導入し、成果を挙げている。東北では東北大病院と秋田大病院に続いて三施設目となる。

 「光線力学的療法(PDT)」と呼ばれ、腫瘍組織に集まり、光に反応する性質を持つ物質を患者に注射する。投与から約四時間後に内視鏡機器とレーザー光の発生装置を使い、物質の集まった患部にレーザー光を当てる。根治が難しい粘膜下層まで到達したがんでも効果が見込め、一般的な放射線治療を受けた後に再発した患者にも有効とされている。

 福島医大付属病院内視鏡診療部はレーザー発生装置など専用機器を四月に導入し、これまでに二人の患者に使用した。四月に手術を受けた七十代女性は抗がん剤と放射線治療で一度がんが消えた後に再発したが、手術から二カ月が過ぎてがんが消え、その後の経過は良好という。五月に受けた七十代男性は経過観察を続けている。

 腫瘍の大きさや部位のほか、「外科手術ができない」「遠隔転移がない」など適用するには一定の条件があり、二週間程度の入院が必要となる。

 内視鏡診療部の引地拓人部長(48)は「体力的な事情などで治療を諦めなければならなかった患者に新たな選択肢が増えた」と導入の意義を説明している。主治医から紹介があれば、県内他病院の患者にも対応したいとしている。

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