中途視覚障害者 自らの半生語る 長崎で集い

 人生の半ばで目が不自由になった人たちが互いに支え合う「中途視覚障害者の集い」が1日、長崎市茂里町のもりまちハートセンターであり、会員が自らの体験談を披露したりスポーツを楽しんだりした。
 市視覚障害者協会(坂本和秀会長)が年2回開いており、会員やボランティアら約70人が参加した。
 中学生で視力を失ったという同市の宇原弘さん(60)は自らの半生を紹介。長女が誕生した際には喜びとともに「育てることができるのか」「ほかの人の所に生まれてきた方が良かったのでは」と不安や葛藤があったと振り返った。
 その長女が成長して「どんな所よりも安心できるのは家族といるとき」と作文に書いたことに触れ、「この言葉だけで私には十分」と目を潤ませた。
 また、ボールの中に入れた金属球の音を頼りに競技をする「サウンドテーブルテニス」の模擬試合などもあった。病気で視力が低下したという雲仙市瑞穂町の無職、中川勝喜さん(70)は「体験談を聞いて感動した。落ち込んでいても仕方ないと元気がもらえた」と話した。

体験談を聞いたりスポーツを楽しんだりした中途視覚障害者の集い=長崎市、もりまちハートセンター

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