自民の神奈川県議を書類送検 高校生ひき逃げ、容疑認める

 車で高校生の自転車と接触事故を起こし、軽傷を負わせながらそのまま立ち去ったとして、神奈川県警中原署は2日、道交法違反(ひき逃げなど)と自動車運転処罰法違反(過失傷害)の疑いで自民党の杉山信雄県議(60)=川崎市川崎区選出=を書類送検した。

 書類送検容疑は、5月12日午前、乗用車で同市中原区の信号機のない丁字路交差点を左折しようとした際、左から進行してきた男子高校生(15)の自転車と接触、転倒した高校生の足に軽傷を負わせてそのまま立ち去った、としている。同署によると、同県議は容疑を認めている。

 同県議は同15日に開いた記者会見で、会合に出席するために「急いでいた」と説明。事故現場で男子生徒と会話し、けがの具合を確認したほか、自転車の修理代として現金1万円を手渡したなどとしていた。今後の進退に関しては「しかるべきときに判断する」と述べていた。

 自民党県連の土井隆典幹事長は2日、「ひき逃げの容疑でも書類送検されたことを大変重く受け止めている」とし、党籍に関する対応については「検察の判断と本人の意向を確認して決めたい」と述べた。

 杉山県議は慶大卒で1999年4月に初当選し、現在5期目。議会運営委員長や党県議団長などを務めた。今回の件を受け、6月に党県議団を離団している。

事故を明らかにした会見の冒頭で頭を下げる杉山信雄県議=5月、県庁

© 株式会社神奈川新聞社