構成資産「原城跡」があり、キリシタンの繁栄と弾圧の舞台となった長崎県南島原市生まれ。「教科書に載るほどの誇らしい歴史。原城跡が世界遺産になって、すごくうれしい」と目を輝かせる。
中学2年時の2016年3月、市の「平成遣欧使節事業」に参加。16世紀に有馬のセミナリオ(神学校)で学んだ4人の少年がローマ法王の下に向かった「天正遣欧使節」の足跡をたどった。
ゆかりの教会や城を訪ね歩き、ホームステイをして、「文明や交通が未発達な時代に苦労して海外で学んだ熱意がすごい」と感嘆した。「英語をもっと勉強し、多くの外国人と理解を深め合いたい」。大きな目標ができた異国での経験は「一生の宝物」だ。
最近、世界史の授業で、訪れたイタリアの教会が取り上げられた。「実は私、行ったことあるんだ」と打ち明けると、級友たちは驚き、南島原の歴史を感心して聞いてくれた。
「卒業後は島原半島を出て大学に進み、海外留学して、英語を生かせる仕事に就きたい」と夢を語る。ただ、どこへ行こうとも、古里の素晴らしい歴史を身近な人に伝えていくつもりだ。