「弁天島温泉開春楼」や「熱川温泉開春楼」(静岡)、「嬉野温泉神泉閣」(佐賀)など運営の(株)西山商事が破産申請へ

 (株)西山商事(TSR企業コード:450264939、法人番号:2080401017278、浜松市東区原島町355-1、設立平成3年7月1日、資本金3000万円、西山義彦社長)は7月2日、東京地裁へ破産申請した。申請代理人は金山伸宏弁護士(かなやま法律事務所、東京都港区西新橋1-21-8)。
 負債総額は債権者約400名に対して約7億円。

 昭和26年創業の西山米店を前身とし、袋井市で設立。以降、多角化経営を進め、飲食業、クリーニング業、携帯電話販売、コンビニエンスストア、中古車売買など多岐にわたる事業を展開し、不採算事業から撤退する一方で、ホテル経営に乗り出した。
 平成21年10月に「弁天島温泉開春楼」(浜松市西区)、22年10月に「嬉野温泉神泉閣」(佐賀県嬉野市)、25年10月には「熱川温泉開春楼」(静岡県東伊豆町)と、次々と経営する施設を増やしてきた。また、浜松市および磐田市に飲食店「黄金のとんかつ開春楼」を3店舗、浜松市に鰻料理店「網本」を1店舗、袋井市と磐田市に中古車買取の「ラビット」FC店を2店舗経営し、27年6月期の売上高は約18億5000万円を計上。しかし、各施設のリニューアルなど固定資産に対する投資負担から資金繰りは窮屈に推移。29年6月期は「ラビット」FC店1店舗閉鎖や創業時からの米穀販売を廃止したことで売上高は約15億円に低下した。
 この間、資産処分を進めて経営の立て直しに取り組み、金融機関からも借入金の返済猶予の支援を得ていたものの、資金繰りの改善には至らなかった。仕入先への支払遅延も聞かれるようになり、資金調達も限界に達し今回の措置となった。

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