【きらり光るウーマンパワー】〈鉄鋼貿易商社の日世通商・営業部海外営業課課長、金佳暎氏〉「売れるものは何でも」

 鉄鋼貿易商社の日世通商(本社・大阪市、社長・平野浩一氏)で海外営業課課長の金佳暎氏。担当するのは、主力の韓国向けだけでなく、台湾・ベトナム、さらには米国も管轄する。また、取り扱い品種も薄板コイル・形鋼・鋼管など幅広く、一級品から発生品に至るまで「売れるものは、何でも扱う」と意気込み、営業を頑張る日々を送っている。

 入社したのは2007年。同社が韓国語のできる営業社員を探していたところ、父が韓国鉄鋼メーカーで働いていた縁もあり、入社することとなった。

 ソウル市出身で、日本語は韓国での大学在籍時に勉強。「文法も似ているので、やりやすかった」。ホテル経営学科を卒業した後、大阪市内のホテルに就職。「当時の韓国で、ホテル業界の就職人気は高かった。サービスが一流と聞いていた日本で働いてみたかった」と振り返る。

 同業のホテルマンである夫との結婚をきっかけに06年に退職。「夜勤もあるので、子育ては難しいと思った」。

 ホテル業界から鋼材の貿易商社という畑違いの分野への転職となったが、「商社の仕事はサービス業に通じるところがあると思う。お客様へのおもてなしが大事。また、女性が少ないことは覚えてもらいやすくなるので、むしろプラスです」。

 小学生の男の子2人を育てる母親でもある。「社長にも理解していただけているので、働きやすいが、子どもにかまえないこともある。その分、愛情を注ぐようにしている」。

 今後の抱負について「正直に言えば、今までなんとなくやってきた。子育ても一段落するので、今からがスタートだと思って、仕事により積極的に取り組みたい。鉄鋼業界は人間関係が大事。鉄のように重い人間関係をつくって、会社が発展できるように頑張っていきたい」。

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