金属行人(7月4日付)

 サッカー日本代表のワールドカップが3日、終わりを迎えた。ベルギーとの戦いは後半に2点を勝ち越しながら、まさかの3失点で逆転負けとなった▼前評判は散々な日本代表だった。ハリルホジッチ監督の突然の解任に始まり、スキャンダラスな情報が飛び交った。不義理が基本的に嫌いな日本人の特質が前面に出たのかもしれない▼ふたを開けてみると西野朗監督率いる西野ジャパンは善戦し、手のひら返しが始まった。このあたりも日本人らしいところと言える。負けているポーランド戦ではパス回しによる時間稼ぎを実行。知的な戦略との称賛と、勝ちに向かわない試合運びに対する失望の声が日本のみならず世界で交錯した▼ベルギー戦が終わってみれば日本の健闘をたたえる声が多いようだ。かくも世論は移ろいやすいということがよく分かる。鉄鋼業界でもあの会社が安値でくぐったとか需要は増えるといって実際は増えないのではないか、といった真偽不明の情報がよく飛び交って混乱を来すことが多い▼結局のところ正確な情報をつかみ、右往左往しない会社が生き残る。正確な情報の提供という意味で読者の方々に寄与できる記事となっているか、私たち書き手ももう一度省みなければならない。

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