銀座千疋屋グループ会社に事業譲渡した(株)花園万頭の破産開始が決定

 (株)花園万頭(TSR企業コード:290958687、法人番号:1011101017476、新宿区新宿5-16-15、設立昭和28年1月、資本金4000万円、石川一弥社長)は7月2日、東京地裁から破産開始決定を受けた。破産管財人には野田聖子弁護士(永沢総合法律事務所、中央区日本橋3-3-4、電話03-3273-1800) が選任された。
 負債総額は債権者378名に対し24億4124万円。

 天保5(1834)年創業の老舗和菓子製造販売会社。「花園万頭」、「ぬれ甘なつと」、「花園春日山」が売上の中心で、自社工場で生産、本店等での直営販売のほか、首都圏の有名百貨店内や駅ビル等の店頭で一般顧客向けに販売、ピークとなる平成6年6月期には売上高約42億円をあげていた。
 しかし、バブル期に過剰な有利子負債を抱えたほか、東日本大震災後の販売不振など業況が悪化。さらに近年は、消費低迷による売上不振が続き28年6月期には売上高20億1105万円に減少し、1億9042万円の赤字となり、債務超過に転落。29年6月期も売上高は19億272万円にとどまり、業況が悪化した。
 滞納した税金等公租公課も負担となり、当社は30年5月31日東京地裁に破産を申請し、保全命令を受けた。その後、入札を経て6月28日に高級フルーツパーラーで知られる(株)銀座千疋屋のスイーツ店部門を手掛けるグループ会社(株)パティスリー銀座千疋屋(TSR企業コード:297343246、法人番号:8010001115490、東京都中央区)をスポンサーとする事業譲渡契約を締結。パティスリー銀座千疋屋の100%出資子会社(株)花園万頭(TSR企業コード:028340612、法人番号:4010001192798、中央区築地3-13-8、設立平成30年6月20日、資本金4800万円、花里正之社長)が新たに設立され、6月29日付で当社が手掛けていた和洋菓子の製造販売事業を譲渡していた。

© 株式会社東京商工リサーチ