~鉄・路をゆく~第6回【町民鉄道 流鉄流山線】

~鉄・路をゆく~第6回【町民鉄道 流鉄流山線】

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流鉄流山線は千葉県西部に位置し、JR常磐線馬橋駅から流鉄流山(ながれやま)駅に至る5.7kmの路線。開業は1916(大正5)年3月14日。流山や馬橋村の醸造業者や米穀商、金物商などを生業にしている人たちが集まり、流山軽便鉄道株式会社設立。出資者や一株株主に至る多くの人が流山の住人であったことから“町民鉄道”と呼ばれ、長く親しまれている。終点の流山駅周辺は白みりん発祥の地として、また歴史ある建物も点在しており、都心から日帰り散策にちょうど良い路線である。

流鉄流山線の起点となる馬橋駅。

JR常磐線馬橋駅ホームから流鉄流山線を望む。

流山線は馬橋駅構内西側に。東側はJR常磐線が駆け抜けていく。

自動券売機と、定期券や1日乗車券を購入する際の有人窓口がある。

駅の数6駅。総延長5.7kmのローカル旅。

真ん中にはJR常磐線の特急や快速・貨物列車が通過する線があり、流鉄とのコラボが楽しめる。

ホーム前方にある待合室には、歴代の流鉄の車両の写真や沿線風景写真が飾られている。

車内にあった沿線ガイドマップ。

流鉄のほぼ中間にあたる小金城趾駅。

小金城趾駅は流鉄唯一、列車の行き違い設備を備えている。

小金城趾駅から徒歩10分の場所にある、大谷口(おおやぐち)歴史公園。

天守閣など城の建造物は残っていないが、様々な遺構を目にすることができる、

頂上を少し下ったところには畝堀が見られる。
全国的にも珍しい形状をしているとのこと。

小金城趾駅で行き違い交換する流鉄車両。ちなみに保有する車両は元西武の新101系を譲受したもので、ワンマン運転に対応する改造その他を施し、流鉄5000系として運用している。

ここで流鉄全車両を紹介。
流山駅奥の検車区にとどまっている、5001編成「流馬」号。

5002編成「流星」号。
小金城趾駅ホームに設置されている自販機は、この5002編成流星号と同じカラーリングをしている。

5003編成「あかぎ」号。

5004編成「若葉」号。訪れた時は、流鉄のキャラクター「りゅうのしん(流之進)」ヘッドマークが取り付けられていた。

5005編成「なの花」号。

馬橋駅から一つ目の幸谷駅。徒歩2分ほどでJR武蔵野線&常磐線新松戸駅に連絡する。

駅舎の構造が面白く、ホームは集合住宅“流鉄カーサ新松戸”の1階にある。手前頭上の高架はJR武蔵野線。

幸谷駅から馬橋駅方を望む。

直線だが線路が波打っているように見える。実際直線なのに相当揺れる区間でもある(全区間乗車した撮影者感)。

流鉄の終端、流山駅。流鉄株式会社本社も駅舎内にある。修復など施されてはいるが、1916年開業当初の建物である。
駅舎は1998(平成10)年、第2回関東の駅百選に選定されている。ちなみに選定理由は、「東京近郊にありながらローカル色のある駅」。

流山駅南にある歩道橋より駅構内を望む。奥に検車区がある。

駅舎左手には、元流鉄タクシー跡を利用した菓子製造所併設のコミュニティスペース“machimin(まちみん)”が今年4月1日にオープンしたとのこと。

さまざまなイベントを行っている様子。右下の“みりんムーヴメントを起こす”、気になりますね。

流山駅周辺地図。歴史に触れる建造物が多くみられる。

駅から徒歩5分ほどのところにある浅間神社。

本殿の裏手には立派な冨士塚があり、江戸時代中期に富士登山参拝が流行った頃、登山参拝に行けない地元民の為に、富士山の溶岩で作られた本物そっくりの“流山の富士山”をつくったとのこと。丁寧に〇合目の標識もあった。

“流山の富士山”頂上から本殿を見下ろす。結構、というかかなりの急斜面。人のすれ違いは不可。ヒールや底がつるつるの靴はおすすめしません。

登頂したのでご利益に授かった(はず)。流山のパワースポット。

浅間神社から徒歩7~8分、江戸川に点在する渡し跡の一つ、“矢河原の渡し跡”がある。

川岸の隙間のように見えるところが渡し跡なのでしょうか。

堤防からははるか先にスカイツリーが見える。ちなみに手前の鉄橋には武蔵野線を通過する貨物列車が見えますね。

万華鏡ギャラリー 寺田園茶舗 見世蔵。
世界的万華鏡作家で、流山市在住中里保子氏らの作品を展示し、販売も行っている。
2011(平成23)年、国登録有形文化財(建造物)に登録。

万華鏡ギャラリーの道を挟んだ場所にある、和菓子清水屋さん。
創業明治35年。流鉄が走る前から営んでこられた老舗。

こちらも国登録有形文化財(建造物)に指定されている。

和菓子司清水屋さんから徒歩2~3分、住宅地の真ん中にある閻魔堂。閻魔堂の本尊は閻魔大王。

右の平屋に座像が安置されています。
(訪れた際は不在で見ることができなかった)

鎌倉時代に創建された日蓮宗の寺院である常与寺。
千葉師範学校発祥の地である。

流山駅近くの本町には一つ一つデザインが違う80基以上もの切り絵行灯が軒先におかれている。
中でも目についたのが、中央線特別快速の切り絵。JNR(国鉄)のマークが懐かしい。

撮影:稲葉訓也

撮影日:2018年06月22日(金)

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