仏エラメットは新規鉱山開発、マンガン事業強化 インドネシアのニッケル生産、20年開始目指す

 マンガン、ニッケルを中心に金属資源事業を世界展開する仏エラメットグループのクリステル・ボリ会長兼CEO(最高経営責任者)が5日、東京都内で会見し、グループのマンガン鉱石生産量を将来的に30%増やす方針を明らかにした。数十年先までの鉱石確保に向けて新規鉱床の開発を積極的に推進する。ニッケル事業では世界最大級のニッケル酸化鉱床であるウェダベイ(インドネシア)の開発を推進し、2020年末の生産開始を目指す方針を示した。

 エラメットグループの17年のマンガン鉱石生産量は前年比21・6%増の410万トンとなり、過去最高だった。ボリ会長兼CEOは会見で「17年は好調なマーケットに支えられ、マンガン事業が収益をけん引した」と話した。

 同社ではさらにマンガン鉱石事業を拡大するため、20年以降に新規鉱床開発を実行したい考え。19年前半に投資意思決定するため、18年に事前事業化調査(プレFS)を実施する。

 ニッケル事業では、中国・青山鋼鉄と共同推進するウェダベイの開発に注力するとともに、ニューカレドニアのSLNのコスト削減に取り組む。ウェダベイの生産規模は含ニッケル銑鉄で年間3万トン(ニッケル純分)となる見込み。

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