ロールコラム・デッキプレート、需給ひっ迫で在庫枯渇

需要旺盛、生産追い付かず

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適正価格実現へ値上げ急ぐ

 ロールコラムやデッキプレートの需給がいよいよひっ迫し、市中在庫が枯渇してきた。再開発などを中心とした大型案件の需要が旺盛な中、大径を中心としたロールコラムやフラットデッキの需要が増加。メーカーはフル生産の状況で、需要増に「とても追い付かない状況」という。加えて中小案件の需要立ち上がりが「昨年に比べ早い」(メーカー筋)ため、需給は超ひっ迫状態にある。販売価格の引き上げはコスト増に追い付いておらず、各社は安定生産に向け適正価格の実現を急ぐ姿勢を鮮明にしている。

 ロールコラムはプレスコラムの需給がひっ迫する余波で大径サイズが超ひっ迫。大手の日鉄住金建材ではフル生産が続いており「UBCR365は月産1千~1500トンペース。広畑製造所は大径サイズの生産対応のため滋賀や仙台に普通サイズの生産を振っているが、7月からは残業応援してやりくりしている状況」という。このためファブリケーターへの納期はこれまでの3カ月半から4カ月強となる見通しで、市中在庫も枯渇していることから製品の入手が困難になりつつある。

 JFEスチールでも450ミリ角以上のロールコラム需給のタイト感が強く、1~2カ月の加工待ちとなっているもよう。フル生産は「少なくとも年内は続きそう」で、シンパへの供給は確保しているもののスポットのプロジェクト向けなどは対応し切れない状況にある。

 こうした中、両社は安定生産に向け値上げを実施。これまでトン2万円までは浸透したもようで、JFEスチールはさらに6月ロール分でトン5千円の値上げを実施した。日鉄住金建材も累計でトン3万円の値上げを掲げており「急激に坂を駆け上がらなければ安定供給がさらに難しくなる」と危機感を募らせる。

 一方、デッキプレートは再開発向けのほか工場、倉庫など旺盛な需要を背景にフラットデッキの需要が拡大し、同様にメーカー各社はフル生産の状況にある。

 さらに特有の問題として物件ごとにスケッチサイズで生産、現場の建方工程に合わせて小分けに梱包を分割し、時間指定で直接現場に配送するなどをメーカー側が行う〝過剰サービス〟が常態化。小口配送や荷姿指定などもあり、荷さばき作業や積み荷に大きく労力を取られて輸送効率が大幅に悪化している。

 日鉄住金建材はトン3万2千円の値上げを掲げているが道半ばの状況にあり、人手不足も続く中でサービスの継続も難しくなっている。JFE建材もコストアップ分の価格転嫁を急いでおり、実行ベースでトン3万円の値上げを推進。しかし、大型再開発など足の長い案件も多く「足元は赤字の状況」になっているという。

 フル生産が続く中で図面代や運賃のアップなどもあって「4万円程度まで値上げしないと足りない」との声もあり、各社は「需給のタイト感が強い今しか販価改善のタイミングはない」として適正価格の実現を急ぐ構え。加えてユーザー側の納期通りの引き取りなど円滑な配送への協力も強く求められそうだ。