日本アルミニウム協会、安全委が「監督者体験交流会」 4社が安全への取り組み報告/災害ゼロへ理解深める

 日本アルミニウム協会・安全委員会(委員長・福井裕之UACJ常務執行役員)はこのほど、名古屋文理大学文化フォーラムで「第99回管理・監督者体験交流会」を開催。三協立山三協マテリアル社など4社は、自社の安全に対する取り組みについて発表した。

 三協立山三協マテリアル社奈呉工場の笹川一郎氏は「災害ゼロに向けて」をテーマに、災害の未然防止と安全職場の風土づくりを目指したNKR(Nago Keep Rule)活動などについて報告。NKR活動では、指差し呼称などルール遵守の徹底、挨拶の活性化、安全の見える化、安全座談会などに取り組んでいる。危険性低減の改善事例としては、「鋸刃カバーの電磁ロック」「ビレット積込機のエリアセンサー・カバー取付」を紹介した。

 UACJ福井製造所の長谷川徹氏は、「安全ノート活用による無災害継続に向けた改善活動」について話をした。安全ノートを活用したことで、新人とベテランの意見を取り入れ設備を改善でき、意見数が増えるとともに作業者の安全意識も向上した。「現場・現物、本気で徹底した活動」が大事で、スムーズに改善が進んだ秘訣だとした。具体的事例では人とリフトの分離化、圧延機周辺の立入禁止区域化などを指摘した。

 YKKAPの江幡孝道氏は「一般作業におけるロックアウト・タグアウト」について報告。ロックアウトとは機械や設備の動力源を施錠してエネルギー供給を遮断、なおかつ鍵を持つ人以外はスイッチを操作できないようにすること。タグアウトはそれを表示すること。「取り組みのきっかけは、富山県内で連続発生した重篤災害の発生だった」(江幡氏)。全国共通のタグを使用することで、従業員の異動があっても間違えないよう工夫した。同取り組みでの労災防止に向けた緊急要請(16年1月)、社内報への掲載などで周知を図り、16年下期から全工場でロックアウトを開始した。ただ、設備にロックアウト機能を付けても各人が実施しないと無意味。継続的な教育で、全員が意識し続けることが重要だと強調した。

 本多金属工場恵那工場の丸橋啓吾氏は、「本多金属工場の安全衛生活動」について話しをした。転倒・墜落災害の改善事例では(1)段差の見える化と解消(2)またぐ作業を削減し安全に(3)荷役作業での可搬式作業台の使用で墜落防止(4)安全な踏台の選定―などを実施。今後もゼロ災の職場風土づくりに取り組み、リスク評価の継続推進、作業標準の整備、情報共有化などを進めていく方針だ。

© 株式会社鉄鋼新聞社