各地で大雨 長崎県内 6万人避難指示 避難勧告54万人 交通大きく乱れ

 九州付近に停滞する前線の活発化で大気の状態が不安定となった6日、長崎県内でも記録的な大雨となった。気象庁は同日、「数十年に1度の災害の危険性が高まっている」として県内6市5町に「大雨特別警報」を発表した。本県に同警報が出たのは初めてで、土砂災害や河川の増水などに最大級の警戒を呼び掛けた。
 6日午後8時半現在、佐世保市相浦、早岐両地区と対馬市厳原町の一部の計2万5980世帯6万1889人に避難指示。宇久地域などを除く佐世保、諫早、大村など5市と、西彼時津、東彼川棚町など4町の計22万1714世帯54万2094人が避難勧告の対象となり、10市6町の計412世帯836人が避難した。
 長崎地方気象台によると、5日午前0時から6日午後7時までの総降水量は、佐世保市干尽町347ミリ、長崎市長浦岳328ミリ、雲仙岳281・5ミリ、松浦238ミリ、諫早228・5ミリに達した。
 県災害警戒本部などによると、佐世保市では横尾、鹿子前両町の住宅2棟が床下浸水。相浦川と早岐川は増水に伴い一時、氾濫危険水位を上回った。大村市重井田町では、崖が幅4メートル、高さ5メートルにわたって崩れた。諫早、西海両市でも土砂崩れによる通行止めが発生した。
 交通機関も大きく乱れた。JR九州は県内全線で午後4時過ぎから運行を見合わせ、7日も始発から運転を見合わせる。また6日は長崎自動車道全線や西九州自動車道の県内全区間が通行止めとなり、佐世保や長崎発着の高速バスも一部運休した。
 同気象台は7日午後6時までの24時間雨量を県南部・北部200ミリ、五島100ミリ、壱岐・対馬で80ミリと予想。「早めの安全確保に努めてほしい」としている。

大雨で氾濫危険水位まで増水した相浦川=6日午後4時13分、佐世保市木宮町

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