バトンつないで 2018 第21代高校生平和大使【4】

 〈設問〉(1)平和や核問題について関心を持ったきっかけ(2)もしも自分が日本の首相なら、核兵器廃絶の実現に向けて、まず何に着手するか(3)「平和」と聞いて思い浮かぶ情景(4)古里の「おすすめ平和スポット」とその理由

◎久保田音美(くぼた・ねみ)さん(16)=沼田高2年(広島県)= 平和観の違いを克服

 (1)内戦を経験した中米エルサルバドル出身の父親と幼い頃から平和について対話していた。4、5歳ごろに広島に来て平和学習をするようになり、より思いが強くなった(2)自分の考えと合致する平和観を持つ人を探し、協力を求めたい。普段考えていないだけで、人々にはそれぞれの平和への思いが眠っているはず。人の考えを無理に変えようとすることは戦争の根源だと思うので、自分とは違う平和観を持つ人とは対話を重ね、互いが納得する形で核兵器廃絶への道を見つけたい(3)早朝、近くの公園を散歩しているときの情景。このときは気持ちに余裕があり、リラックスしているから「平和だな」と感じている(4)平和記念公園とその周辺。広島の町には、爆心地からの距離などが示されている場所がある。被爆当時に思いをはせつつ、現在の様子を見ることで、リアリティーが増すと思う。

◎佐藤(さとう)ハンナさん(16)=捜真女学校高等学部2年(神奈川県)= 「核」をリアルに感じ

 (1)小学4年生の時に父親の勧めで参加した日本非核宣言自治体協議会主催の「親子記者事業」がきっかけ。東京大空襲などを事前取材し、長崎では原爆資料館見学や被爆証言を聞くなどしたことで、教科書でしか知らなかった「戦争」や「核」をリアルに感じるようになった。このような恐ろしいことを二度と起こしてはならないと思った(2)非核三原則を再確認する。核の傘下に入るのではなく、核を断ち切り、他国の非核化を進められる国にしたい(3)核兵器が一つもなく、みんなが当たり前の毎日を送り、子どもたちが戦争によって殺されたり泣いたりすることのない世界(4)「ヴェルニー公園」。米軍横須賀基地と海上自衛隊の横須賀基地が見え、被爆証言や本で読んだ戦争の光景が思い浮かぶ。夜景がきれいだが、実は艦船がいるという複雑な場所。平和とは何か考えさせられる。

© 株式会社長崎新聞社