学業とバイトの二刀流 実績ある東海大九州・準硬式野球部 部員減で存続ピンチ

投球練習をする東海大九州準硬式野球部3年の上野大樹投手と島田康平捕手=熊本市東区の同大熊本キャンパス

 硬式や軟式に比べるとマイナーなイメージがある準硬式野球。東海大九州の準硬式野球部は、4年生の引退で部員が9人を下回り、創部33年で初めてチーム存続の危機に直面している。それでも、学業やアルバイトと両立しながら「大好きな野球を続けたい」と奮闘中だ!

 「あと10本!」「集中しよう!」-。同大熊本キャンパス(熊本市東区渡鹿)のグラウンドで守備練習に励む部員ら。この日の練習の参加は5人だけだが、チームプレーを意識して威勢良く声を掛け合う。練習場は硬式野球部などと共用で、使えるのは毎週火曜の夜のみ。この日も夏空が深い藍色に染まる午後9時前まで打撃や投球練習をみっちり続けた。

 東海大九州には硬式野球部もあるが、ほぼ毎日練習があり試合数も多い。学費などに充てるため、アルバイトをせざるを得ない学生らが準硬式に集まる。

 農学部3年の上野大樹さん(20)は「高校まで野球漬け。大学で硬式までは専念できないが軟式では物足りない。でも野球への情熱は硬式にも負けていない」と強調する。

 準硬式野球は、硬式球の芯を軟式のようにゴムで包んだ準硬式球を使い、ルールは硬式とほぼ同じ。大学のリーグは関東地域などで盛んだが、県内で部活があるのは東海大九州と熊本大、熊本学園大の3校のみ。30年以上の歴史がある東海大九州は最盛期で約30人の部員を有し、九州選手権の優勝経験もある。

 その伝統ある部がピンチを迎えている。5月の九州選手権で2回戦敗退し、4年生12人が引退。現役部員は3年生3人、2年生2人の5人になった。1年生は3人ほどが入部予定だが、ギリギリの状態だ。

 主将で経営学部3年の島田康平さん(21)は「あと数人勧誘しないと試合に出られない。少人数だからこそ学年を問わず仲間意識が強い点を売り込みたい」。OBの平川敬二朗監督(28)は「硬式や軟式に比べて認知度が低いが、競技レベルは決して低くない」と話す。

 硬式の強豪校のようなポジション争いはない分、選手の自立心とチームワークが育っているという。1年生で入部を決めた農学部の江頭諒祐さん(18)は「雰囲気の良さが魅力。先輩たちがつないできたチームを存続させたい」。

 直近の大舞台は9月に迫る秋季の南九州リーグ戦だ。「メンバーを確保し、1戦でも多く勝てるよう練習に励むのみ」と意気込む島田主将。「何よりも仲間と野球を続けられる喜びを大切にしていきたい」と力強く語った。(堀江利雅)

(2018年7月6日付 熊本日日新聞朝刊掲載)

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