【旧大口病院中毒死】病院長「信頼回復へ役割全う」

 事件のあった旧大口病院(横浜市神奈川区大口通)は2016年9月の事件発生後、入院患者の受け入れを一時中止して出直しを図った。病棟内に防犯カメラを導入して安全管理体制を強化したほか、一部を除いてスタッフを刷新。17年12月には名称も「横浜はじめ病院」に変更し、再出発した。今年2月末には入院患者の受け入れを再開していた。

 同院の看護師だった久保木愛弓容疑者(31)が殺人容疑で逮捕されたことを受け、鈴木峻病院長はコメントを発表。「多大な不安、迷惑をお掛けし、おわびする」とあらためて謝罪し、薬剤の施錠管理の徹底や、防犯カメラの設置などの改善策を挙げ「信頼を回復するため、地域に根差した医療機関としての役割を全うしていく」とした。

 通院したことのある無職女性(66)は「時間がかなり経過していたので、解決しないのではと思ったが、一安心」とほっとした様子。一方で、近くに住む女性会社員(60)は「病院関係者がやったなんて、信じられない」と声を落とした。

 家族が通院していたという飲食店勤務の女性(55)は「地域にとって、なくてはならない病院。事件が解決に向かえば信頼を取り戻せるのではないか」と話した。

点滴連続中毒死事件が起きた旧大口病院=横浜市神奈川区

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