民間団体がみなし仮設住民に助成 孤立防止へ交流後押し 

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支援団体の助成を利用して交流会を開いた益城町惣領地区の住民ら。久しぶりに再会し、みなし仮設住宅での悩みなどを語り合った=6月23日、熊本市東区

 熊本地震後に地元を離れ、アパートなど借り上げ型のみなし仮設住宅で暮らす人の孤立が懸念されている。被災者支援に取り組む民間団体は、交流を後押しする助成制度を創設。利用者からは「日ごろの悩みを語り合う場が増えてほしい」と、制度の浸透に期待する声も上がる。

 6月下旬の週末。熊本市東区の飲食店に笑い声が響いた。料理を囲んだ5家族11人は、益城町惣領で被災した。いずれも自宅を失い、2家族は熊本市東区のみなし仮設に、1家族は町内の建設型仮設住宅に入居。2家族は元の場所に再建した自宅で暮らしているという。

 妻と娘の3人でみなし仮設のアパートで暮らす佐野明士さん(72)は「近所付き合いが希薄で普段は部屋にこもりがち。久しぶりに気持ちが晴れた」。同じくみなし仮設に住む内田勝利さん(77)は「他の被災者が今どこにいるかも分からん。昔なじみと生活再建の苦労を語り合い、地元に戻れるように頑張ろうと思えた」と笑顔を見せた。

 この日の交流会は、仮設入居者を支援する一般社団法人「よか隊ネット熊本」と熊本学園大の高林秀明教授(地域福祉論)のゼミが始めた助成制度を利用した。

 交流会を企画した木水敏明さん(66)は、よか隊ネットの巡回支援で制度を知ったという。「被災後は金銭的にも精神的にも余裕がなかった。久しぶりに地元の住民と顔を合わせ、再建への意欲が湧いた。また開きたい」と手応えを語った。

 制度は民間からの寄付金を元に2月にスタート。被災前に住んでいた地区やみなし仮設がある地域での交流活動の費用に充てられる。これまで花見や茶話会など利用は二十数件に上るという。助成額は仮設入居者の参加が、3世帯以上の場合5千円、5世帯以上は7千円、10世帯以上は1万円となっている。

 みなし仮設の入居者は、建設型の仮設団地と違って被災者であることが把握されにくく、地域との交流も希薄になりがちだという。高林教授は「慣れない土地で暮らす被災者に制度を利用してもらい、孤立防止に役立ててほしい」と話している。(堀江利雅)

(2018年7月8日付 熊本日日新聞朝刊掲載)

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