仏エラメット、EV用電池分野で事業拡大 リチウム鉱床開発など推進

 マンガン、ニッケルを中心に金属資源事業を世界展開する仏エラメットは、電気自動車(EV)用バッテリー分野における事業展開を加速する。アルゼンチンのリチウム鉱床開発を推進するほか、塩化ニッケル、コバルト、リチウムでの事業機会の調査、バッテリーリサイクル事業の機会評価などを進める。

 アルゼンチンのリチウム鉱床開発については、技術や経済性、環境評価などを前提として19年上半期に投資決定を行う予定。21年末に生産を開始する計画で、生産能力は年間2万トン(炭酸リチウム)となる見込み。また、電池材料ではインドネシアのニッケル酸化鉱床「ウェダベイ」を有する強みを生かしながら新たな事業機会の創出につなげる。

 クリステル・ボリ会長兼CEO(最高経営責任者)は、「欧州でもEV用バッテリーの製造工場の建設が相次いで計画されている。正極材を製造するとなれば消費地の近くが考えられる」と話し、「硫酸ニッケルについては鉱山の近くで作るという選択肢もある」と話した。

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