IMSA:最後尾からの大逆転でオレカLMP2が2連勝。フロントロウ独占のレクサスRC Fは2位表彰台

 北米耐久シリーズの最高峰、IMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップは7月8日、カナダ、ボーマンビルのモスポートパークでシリーズ第7戦が行われ、2時間40分の決勝レースをコア・オートスポートの54号車オレカ07・ギブソン(ジョナサン・ベネット/コリン・ブラウン組)が制した。

 第6戦ワトキンス・グレンの翌週開催となった第7戦モスポート。シリーズ唯一のアメリカ国外開催となる同ラウンドにはプロトタイプ(P)、GTル・マン(GTLM)、GTデイトナ(GTD)の3クラス合計32台がエントリーし、この内プラクティスで大クラッシュを喫したLMP2マシン1台を除く31台が決勝に臨んだ。

 7日(土)の予選でポールポジションを獲得したのはブラウン駆る54号車オレカだった。しかし、コア・オートスポーツは決勝に向けてスタートドライバーの交代を選択。クラス最後尾に下がるのを覚悟で、ジェントルマンドライバーのベネットにファーストスティントを託した。

 迎えた8日の決勝は、繰り上がりポールとなったアキュラ・チーム・ペンスキーの6号車アキュラARX-05 DPiがホールショットを決めてレースをリード。これにスタート直後の攻防で3番手から順位を上げたコニカミノルタ・キャデラックDPi-V.Rの10号車キャデラックが続いていく。

 トップ2台の差がなかなか広がらないなか、スタートからわずか20分で最初のフルコース・イエロー(FCY)が導入される。その後も約1時間の間に合計3回のFCYが入る荒れたレースとなっていくが、このなかで首位を走る6号車アキュラは、ピット出口の赤信号を無視したことで60秒ストップペナルティを受け、大きくポジションを下げてしまう。

 スタートから2時間過ぎ、Pクラス上位陣がほぼ同じタイミングで最後のルーティンピットインを済ませると、10号車キャデラックを先頭にフェリペ・ナッセ駆るウェレン・エンジニアリング・レーシングの31号車、フィリペ・アルバカーキのドライブするマスタング・サンプリング・レーシングの5号車という2台のキャデラックDPi-V.R勢が続き、その後方にブラウンの54号車オレカが総合4番手につける展開となる。

■55号車マツダRT24-P DPiが総合3位走行も……

マツダチーム・ヨーストのマツダRT24-P DPi

 ここからブラウンは立て続けにアルバカーキとナッセを攻略し、総合2番手にポジションアップ。54号車オレカは直後に迎えた5回目のFCYでトップとの差を一気に詰めると、リスタート後には10号車キャデラックとの一騎打ちに持ち込んでいく。

 チェッカーまで残り13分、総合6番手を走るマツダチーム・ヨーストの55号車マツダRT24-P DPiがコースアウト、グラベルにスタックしたことで、今レース6回目のFCYが導入される。この直前にブラウンは10号車キャデラックのジョーダン・テイラーを攻略し総合トップに浮上する。

 その後、FCY明けのリスタートを乗り切った54号車オレカは2番手に3.431秒のギャップを築いてトップチェッカー。昨年まで参戦していたプロトタイプチャレンジ(PC)クラスからPクラスへの昇格後初めての優勝を飾るとともに、前戦ワトキンス・グレンでIMSAシリーズ初優勝を飾った『オレカ07』に2連勝をもたらした。

 ディフェンディングチャンピオンの10号車キャデラックはレース中盤から長らくレースをリードをしながらも、最後は2位に。総合3位と同4位には31号車と5号車のキャデラック勢が入り、総合5位はアキュラ・チーム・ペンスキーの7号車アキュラARX-05 DPiとなった。

 2台のマツダRT24-P DPiで参戦するマツダチーム・ヨーストは、77号車マツダRT24-P DPiが6位入賞を果たした一方、一時は3番手を走行した55号車マツダは最終盤のコースアウトによって総合25位/クラス11位に留まった。

 この他、ポールスタートの6号車アキュラは総合17位/クラス10位。22号車ニッサンDPiの1台体制で今戦に挑んだテキーラ・パトロン・ESMは、マシントラブルを抱えてリタイアとなっている。

■2台のレクサスRC F GT3がフロントロウからスタート

予選最速タイムを記録し、決勝でも優勝を飾った54号車オレカのコリン・ブラウン
第7戦モスポート決勝結果(PDF)

© 株式会社三栄