「本当に勝負強い」―辻監督も絶賛、7月5連勝を呼んだ西武栗山のタイムリー

西武・辻発彦監督【写真:荒川祐史】

逆転勝利を呼ぶ初球適時打「四球直後の球は投打ともに大事」

■西武 11-5 ロッテ(9日・メットライフ)

「苦しかった」と試合後に語った西武の辻監督。逆転勝利を呼び込んだのは、試合の流れを読んだベテランのひと振りだった。

 9日のロッテ戦。先発・今井の乱調で2回までに5失点で降板。0-5と序盤から追いかける形となった西武は3回、2死満塁から6番・外崎が四球を選び1点を返すと、なおも満塁で7月7日の楽天戦で決勝ホームランを放っている7番・栗山が打席へ。「四球直後の球は投打ともに大事」と語ったその初球をとらえた。打球はレフトフェンス直撃となる走者一掃の3点適時二塁打。これで4-5と一気に1点差とすると、続く8番・中村のレフト前適時打で同点に追いつき、試合を振り出しに戻した。

「本当はおかわりの2ランで逆転すれば最高だったけどね」と、同期入団で同い年の同僚・中村の打撃をいたずらっぽい笑みで振り返りながらも「こちらの投手も若いが、相手の先発・渡邊もルーキーで経験が少ない。しかも試合はまだ序盤だったので、どうなるかわからない」と、波乱の予感を感じ取っての打席だった。

 その中でも「(初球を)狙っていたわけではなく、振れる球を待って、自分のいいタイミングで来たら行く」と自らの打席に集中し、初球で結果につなげた栗山を指揮官も「本当に勝負強いタイムリーでした」と称賛していた。

 西武は6回1死三塁から「あそこで点が取れないと嫌な気持ちになる。執念で打った一打」と指揮官が語った3番・浅村の適時打で6-5と勝ち越しに成功した後、5番・森が9号3ラン本塁打。終盤に強力打線が力を見せつけ、オールスター前最後の3連戦初戦をものにした。

 これで7月に入って5戦5連勝。辻監督は「3連戦の頭、しかも5点差を逆転したことは大きい。価値ある1勝」と、勝利の意味合いを語りながらも「2番手・佐野もよく抑えてくれたし、平井も良かった。そして、野田の投げっぷりがよくなってきた。去年のようになりつつある」と、3回以降、ロッテ打線を無失点に抑えたリリーフ陣への賛辞も忘れなかった。

(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2