乳がん 子どもにどう伝える? 経験基に紙芝居、初上演 NPO法人「葵会」

 乳がん患者と家族を支援する佐世保市のNPO法人「葵会」(吉村市代代表、約40人)は、親のがんの病状を子どもにどう伝えるべきかを描いた紙芝居を作り、8日に市内で初めて上演した。
 葵会は2013年に設立。啓発活動の一環で紙芝居作りに取り組んだ。
 紙芝居は、乳がんが見つかった母親の病状を知らされず、家庭や小学校で不安を募らせる子どもたちの様子を描いた物語。親子のやりとりを通じ、適切な治療で回復することや早期発見の大切さを伝えている。乳がんで母親を亡くした会員が絵を描き、ほかの会員の経験も参考にした。
 紙芝居は8日に同市春日町の市北地区公民館で開かれた「お多福祭り」で上演。親子ら約50人が鑑賞した。同市横尾町の坂西美恵さん(40)は「学ぶことが多く、乳がん検診の大切さを感じた」と感想。自らも乳がんを患った経験がある吉村代表は「がんを隠せば子どもの心配は必要以上に大きくなる。年齢に合わせ、正しい情報を伝えることが大切。今後も紙芝居を活用したい」と話した。

親のがんを子どもにどう伝えるべきかを描いた紙芝居の上演会=佐世保市北地区公民館

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