西日本豪雨の被害、一部非鉄大手、操業に影響 朝日アルミ産業で爆発事故

 先週末に西日本豪雨によりアルミや電線、伸銅など一部の大手非鉄金属メーカーの事業に影響が出たが現在までに落ち着きを取り戻しつつある。人的被害や設備の損傷はなかったが、交通網の寸断や安全への配慮で一時操業を停止した工場も見られた。製錬メーカーについては大きな影響はなかった。一方で6日にはアサヒセイレン関連会社でアルミ二次合金メーカーの朝日アルミ産業の岡山県内の工場で豪雨の影響による爆発事故があった。

 大手アルミ関連では日本軽金属グループの日軽形材の岡山工場(岡山県高梁市)が、自治体からの避難勧告や交通網への影響などで6日夜から2日間操業を停止。ダイカストメーカーのリョービが安全への配慮で7~8日にかけて広島工場(広島県府中市)の操業を中止した。

 電線関連では住友電工焼結合金(岡山県高梁市)が交通への影響で出勤できない社員がおり、7日に稼働を停止したが8日から順次再開している。また伸銅メーカーでは三菱伸銅の三宝製作所(堺市堺区)で数十人の従業員が出勤できず6日に一時稼働率を落としたが、当日中に通常操業に戻した。

 サッシメーカーではYKKAPの久留米支店(福岡県久留米市)と三協立山の福山営業所(広島県福山市)で一部建屋が浸水。LIXILでは西日本地域9カ所のショールームを一時休館したほか、西日本地域の物流で影響が出ている。

 朝日アルミ産業(岡山県総社市)では集中豪雨で近隣の高梁川の水が流れ込み溶解炉が爆発したとみられる。工場建屋が全焼しており、被害状況や事故原因は現在調査中。同社は製鋼用アルミ脱酸剤が主力製品で、生産量は各種アルミ合金地金を含めて月間1500トン程度となっている。

© 株式会社鉄鋼新聞社