監視水域は平常状態 秋以降はエルニーニョ発生の可能性も

エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値。出典=気象庁ホームページ、吹き出し部分は加筆

 気象庁は10日、エルニーニョ監視速報を発表した。6月の観測によると、エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態となっている。今後、夏は平常の状態が続く可能性が高いが、秋以降は海面水温が基準値よりも高くなる傾向があり、エルニーニョ現象が発生する確率も50%とやや高くなっている。

 6月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差は+0.3℃で、基準値に近い値となった。2017年秋に発生したラニーニャ現象は2018年春に終息し、エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態となっている。

 ただし、太平洋赤道域の海洋表層には暖水が見られ、今後この暖水が東進することにより、東部の海面水温を上昇させると考えられる。このため、夏は平常の状態が続く可能性が高いものの、秋以降は海面水温が基準値よりも高くなる傾向があり、海面水温が上昇に転じた場合は、エルニーニョ現象が発生する可能性もある。

エルニーニョ現象とは

 エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象のこと。逆に、同じ海域で海面水温が、平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれる。

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