建築士偽装、藤沢と茅ケ崎でも不適合9件 県内計15件に

 建築士の資格がない男性が実在する2級建築士を装って住宅設計を請け負っていた問題で、神奈川県藤沢、茅ケ崎市内で新たに計9件が建築基準法に不適合だったことが10日、両市などの調査で明らかになった。先月、茅ケ崎、鎌倉市内で発覚した6件と合わせると、一連の問題での違法建築は計15件となった。

 新たに発覚したのは藤沢市2件、茅ケ崎市7件で、いずれも木造2階建ての一般住宅。柱と梁(はり)の接合部にあるべき金具が設置されていなかったり、耐力が不十分な金具が設置されていたりしたという。

 両市は建築主に対し、是正計画書を7月末までに提出するよう指示した。藤沢市は建築主とは別に、市として所有者に状況を説明するという。

 対象物件55件のうち、藤沢市は3件あったが、1件は同法に適合していることが確認された。残る24件については、横浜市(23件)と東京都大田区(1件)が順次確認作業を進めている。

 同問題は4月に発覚。情報提供を受けた県が男性に確認したところ、男性が建築確認や中間・完了検査の申請手続きを無資格で行っていたことを認めた。建築基準法では、建築士が設計、工事監理で建物の仕様や耐震性などを確認している場合は自治体や検査機関の審査が一部省略される。

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