住友電工(社長・井上治氏)は10日、インド政府が進めている貨物専用鉄道(DFC)建設プロジェクト向けに全長約3400キロ(路線距離約1340キロ分)の電車線(トロリ線)を受注し、納入を開始したと発表した。昨年12月から19年12月まで2年間にわたりトロリ線を出荷する。3400キロという受注量は、海外鉄道案件としては過去最大規模。
国際協力銀行とインド政府は、デリー~ムンバイ間産業大動脈(DMIC)構想を進めており、その一環としてDFC西回廊(デリー~ムンバイ間)と東回廊(デリー~コルカタ間)の貨物鉄道建設を進めている。DFC西回廊の建設はインド鉄道省傘下の貨物専用鉄道公社が手掛けており、双日とインドのLarsen & Toubro Limitedのコンソーシアムが電化工事を受注。住友電工は同コンソーシアムからトロリ線の耐久性、耐熱性に優れている点、国内外鉄道市場への納入実績などが評価され、過去最大規模の受注を獲得した。納入するトロリ線は、レワリ~ジャワハルラール・ネルー港間に使用される。
住友電工がインド市場でトロリ線を納入するのは今回が初めて。今後も高品質なトロリ線を提供し、世界最大級の規模を誇るインドの鉄道インフラの近代化に寄与していく考え。