三井金属アクト、モロッコに車部品工場 仏に支社欧州ビジネス拡大

 自動車部品の製造などを手掛ける三井金属アクト(社長・井形博史氏)はフランスに欧州支店、モロッコにドアラッチの製造拠点を開設する。欧州の主要取引先に対する部品供給体制を強化し、ビジネスの拡大を目指す。三井金属鉱業が10日発表した。

 三井金属アクトは欧州での自動車部品需要に対応するため、営業拠点をフランス、製造拠点をモロッコに置くことで拡販につなげる。6月27日にパリ市郊外に開設した欧州支社は、約10人の人員体制で自動車部品の企画や営業、開発、調達などを担当する。一方で、8月中にモロッコ・タンジェ市(フリーゾーン)に設立予定の「三井金属アクト・タンジェ・モロッコ」(資本金・250万ユーロ)は、欧州顧客向けのドアラッチなどの自動車部品を製造する。モロッコ拠点は20年1月に操業を開始する計画で、23年度末に売上高2千万ユーロ(約26億1千万円)、従業員約150人体制まで引き上げる。

 三井金属アクトは、自動車のドアやトランクなどロック機構部品であるドアラッチの製造拠点をすでに英国に保有していたが、さらなる事業拡大には新拠点を開設する必要があると判断。既存取引先の本社機能がそろうフランスに営業拠点、製造工場が集まるモロッコに部品工場を置くことが効率的として新拠点の開設を決めた。モロッコ拠点では当面はドアラッチを製造していく考えだが、顧客からの要望があればその他の部品の製造も視野に入れる方針。

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