冤罪防止問う「完全版検証・免田事件」出版

 国内で初めて死刑囚が再審無罪になった免田事件に迫り、冤罪[えんざい]防止を問い掛けた熊本日日新聞の長期連載をベースにした「完全版 検証・免田事件」=写真=が、現代人文社から出版された。

 事件では1948年に人吉市で祈祷師[きとうし]一家が殺傷され、強盗殺人などの罪で死刑が確定した免田栄さん(92)=大牟田市=は無実を訴え続けた。6回目の再審請求で裁判がやり直され、熊本地裁八代支部は83年7月、アリバイを認めて無罪を宣告。獄中生活は34年に及んだ。免田さんは今月、「自由社会」に復帰して35年を迎える。

 熊日は免田さんの無罪を受けて182回連載し、自白偏重捜査や誤判、再審制度の問題点を検証。その後も関係者の取材を加え、2009年までに3回出版された。完全版は、元死刑囚として「生き直し」を強いられた免田さんの境地を紹介。マスコミや研究者との座談会も収め、冤罪の防止に向けた司法や社会の在り方を考えている。

 318ページ、2916円。現代人文社TEL03(5379)0307。(中村勝洋)

(2018年7月11日付 熊本日日新聞朝刊掲載)

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