鎌倉で期間限定のリノベギャラリー 三春情報センター

 不動産仲介などを手掛ける「ミック」グループの三春情報センター(横浜市港南区)では、鎌倉・由比ケ浜海岸近くのマンションの一室を「リノベーションギャラリー」として期間限定で公開している。湘南ならではの住まいを提案しようと、鎌倉に根差して活動する建築家やガラス職人、古道具店店主とコラボレーションしたプロジェクト。「幸せを感じられる住まい」を提案するという、同社のミッションが凝縮したギャラリーとして注目を集めている。

 ギャラリーとして公開されているのは築37年、3階建てのマンションの一室。江ノ島電鉄和田塚駅から徒歩4分とアクセスも良く、潮風を感じられる「湘南スタイル」を具現化した。明るく開放感のある2LDKの部屋には、味わいのあるアンティークの家具や海を連想させるガラスアートが配置されるなど、落ち着いた暮らしを好む2人暮らしの夫婦をイメージしてコーディネートされている。

 また、海から帰ってきてそのままシャワーを使えるよう、玄関から洗面所までを土間仕上げにするなど実用性にもこだわった。7月末までギャラリーとして公開し、8月以降に売却するという。価格は4280万円(税込み)。

 「近年、都心に通勤しやすい住宅地に人気が集まる一方で、通勤には少し不便でも自然を感じられる鎌倉で家族との生活を大事に暮らしたい、と考える人も減ってはいない。そこで、せっかくなら実際に鎌倉で生まれ育ち、現在も湘南で暮らす人間の感性で魅力的な住まい方を提案しようと考えた」と話すのは、同社の楠元知毅執行役員。鎌倉生まれの楠元さんが、湘南を地盤に建築家やガラス職人として活躍する同級生らに声を掛け、昨年末からリノベーションに着手した。

 ギャラリーとして公開すると、同じマンションに住む住人や近隣住民の見学も多かったという。「同じ床材を使いたい、同じ形のキッチンにしたい、という具体的なリフォームを希望するお声も頂いている。購入目的だけでなく、リフォームの可能性を伝えられる場として機能している」と楠元さんは手応えについて話す。

 同社では年間で大小合わせて千件以上のリフォームを受注しており、リフォーム売上高は2年連続12億円。中古物件をフルリノベーションして売却する買い取り再生事業も好評だという。「家を購入する目的は“幸せな暮らしを手に入れること”。顧客ごとに違う、理想の暮らし方を実現するための提案をしようというポリシーが当社の特徴」と話す楠元さん。同社では今年中に、中古マンションの一室をリノベーションしたギャラリーを横浜市内に2件オープンする予定だという。

1階でもふんだんな自然光が差し込む室内

© 株式会社神奈川新聞社