九州新幹線長崎ルートで国や自民党に全線フル要望 長崎、佐賀の沿線5市長ら

 九州新幹線長崎ルートの新鳥栖-武雄温泉間の整備を巡り、長崎、佐賀両県の沿線5市の市長、市議会議長が11日、国土交通省や自民党本部などを訪れ、全線フル規格での整備を要望した。
 整備を巡って与党の検討委員会は、当初予定していたフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)の導入を断念。全線フルかミニ新幹線での整備を検討している。ただ佐賀県は費用負担が増えることに懸念を示している。
 要望では、ミニ新幹線について、運行ダイヤに制限が生じ、安全性や安定性が劣ると指摘。全線フルでの整備の道筋を早急に示し、追加の費用負担は国の責任で財源を確保するよう求めた。
 同省では、鉄道局の寺田吉道大臣官房審議官に要望書を手渡した。終了後、田上富久長崎市長は昨年の九州北部豪雨や今回の西日本豪雨を挙げ、「(整備区間は)橋梁(きょうりょう)も多く、災害で長期間不通になる可能性もある。不安定なミニ新幹線は選択肢になり得ない」と話した。

寺田審議官(右から3人目)に要望書を手渡す田上長崎市長=国交省

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