未来のスターが会する「フレッシュオールスター」MVPは一流への登竜門!?

ロッテ・安田、日本ハム・清宮、ヤクルト・村上(左から)【写真:荒川祐史】

イチロー、里崎、今江、青木…錚々たる顔ぶれが

「プロ野球フレッシュオールスターゲーム2018」が、12日、弘前市運動公園はるか夢球場で行われる。

 今年は注目の高卒ドラフト1位ルーキー・日本ハムの清宮幸太郎内野手、ロッテの安田尚憲内野手、ヤクルトの村上宗隆内野手をはじめ、大卒ドラフト1位の楽天・近藤弘樹投手、西武・齊藤大将投手といった選手らが、イースタン・リーグ選抜の一員として出場する。

 ウエスタン・リーグ選抜には、ソフトバンクの高橋礼投手、オリックスのK-鈴木投手といったルーキーに加え、今季ここまで1軍で13試合に出場したソフトバンクの川瀬晃内野手、同じく17試合に出場したオリックス山足達也内野手といった、1軍経験のある選手も選出されている。

 フレッシュオールスターは、一流への登竜門でもある。過去には1992年に鈴木一朗、2001年に里崎智也、2003年に今江敏晃(登録名は当時)、2004年に青木宣親、2009年に中田翔などがMVPを受賞し、その後球界を代表する選手へと成長した。

 当時、登録名が鈴木一朗だったイチローは、2年後の1994年に日本新記録となるシーズン210安打を達成し、同年から7年連続で首位打者に輝くと、2001年から活躍の舞台をメジャーに移した。

 2004年にMVPとなったヤクルトの青木も、翌2005年にイチローに次いで史上2人目となるシーズン200安打を達成。3度の首位打者(05、07、10年)、2度の最多安打(05、06年)を獲得し、2012年からメジャーに移籍。今季から再びヤクルトでプレーしている。

 里崎は2005年にロッテの日本一、翌2006年には第1回ワールド・ベースボール・クラシックの日本代表の一員として世界一に貢献。2010年には正捕手としてチームを牽引。リーグ3位から日本シリーズを制する“下剋上”を成し遂げた。

 2003年にフレッシュオールスターMVPに輝いた今江は、2005年と2010年に日本シリーズMVPを受賞し、お祭りの舞台や短期決戦で抜群の勝負強さを誇る。中田も2014年から2016年にかけて100打点をマークし、2014年と2016年に打点王を獲得した。

 このように、フレッシュオールスターで名前と顔を売り、その後1軍で活躍したケースは多い。将来、イチローや青木のように球界を代表する選手となるMVPプレーヤーが現れるか注目だ。

投手のMVPは21世紀に入って「0」

 実は、21世紀に入ってからフレッシュオールスターのMVPを受賞したのは野手だけだ。

2001年:里崎智也
2002年:藤本敦士
2003年:今江敏晃
2004年:青木宣親
2005年:鶴岡慎也
2006年:飯原誉士
2007年:中東直己
2008年:原拓也
2009年:中田翔
2010年:岩崎恭平
2011年:荒木貴裕
2012年:中谷将大
2013年:加藤翔平
2014年:井上晴哉
2015年:台風のため中止
2016年:岡本和真
2017年:曽根海成

 最後に投手でMVPを受賞したのは、2000年のフレッシュオールスターで3回を1安打無失点に抑えた当時広島の河内貴哉投手までさかのぼる。

 投手の場合、1イニングずつ投げてマウンドを降りることが多く、野手に比べるとMVPを獲りにくいようだ。昨年も、選抜選手の中で唯一複数回を投げたソフトバンク・古谷優人投手は2回を3奪三振に抑えたが、MVPはチームメイトの曽根だった。

 一流への登竜門となっているフレッシュオールスター。今年は誰がMVPを手にするだろうか。

(「パ・リーグ インサイト」編集部)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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