米とカナダの高校生に講話 一日も早く核なき世界を 被爆者の松尾さん 

 日本の文化や歴史を学んでいる米国とカナダの高校生22人が6日、長崎市岡町の長崎原爆被災者協議会の講堂で、被爆者の松尾幸子さん(84)の体験講話を聞き、核兵器の脅威や平和の尊さを考えた。
 外務省の国際交流事業「対日理解促進交流プログラム」の一環。日本の知識や語学を競うクイズ大会「ジャパンボウル」の成績優秀者が4~11日、日本を訪れた。
 松尾さんは11歳の時に長崎原爆の爆心地から約1・3キロ離れた岩屋山で被爆。原爆で父、2人の兄、姉を亡くした経験から「二度と悲しみを味わいたくない。核が一日も早くなくなることを願う」と訴えた。
 米国人のカイノア・シットマンさん(17)は「核兵器は人やまちの全てを破壊する。もともとあった反核の思いが、より一層強くなった」と話した。

原爆が投下された長崎の惨状の写真を示しながら米国とカナダの高校生に被爆体験を話す松尾さん(手前)=長崎市、長崎原爆被災者協議会の講堂

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