史料が語る激動の幕末 島田美術館「明治150年」企画展 西郷隆盛の書、肥後・薩摩の刀剣…

幕末・維新期の刀剣と書が並ぶ島田美術館の展覧会場。右奥には、西郷隆盛の書が飾られている=熊本市

 西郷隆盛など幕末・維新期の志士や思想家がしたためた書や、江戸後期から廃刀令までの刀剣を紹介する展覧会が11日、熊本市西区の島田美術館で始まった。明治改元から150年の節目に合わせた企画で12月10日まで。

 書は西郷隆盛や大久保利通、木戸孝允、勝海舟のほか、熊本出身の思想家横井小楠など館蔵品の14点。いずれも制作年代は不明だが、漢詩や和歌が個性的な筆致で書かれており、激動の幕末・維新期を生きた志士らの生きざまが感じ取れる。

 「気概や節操を持って困難な物事に当たるべき」と三行でつづった西郷の書は、墨を含んだ筆を押しつけたような力強い筆さばきに人柄を感じさせる。西南戦争で熊本鎮台司令長官として薩軍と対峙[たいじ]した谷干城が「龍威」と勢い良く大書した作品も目を引く。

 刀剣は個人所蔵などの10点。薩摩の名工・正幸や、肥後の同田貫宗廣らが作った「新々刀」と呼ばれる復古調の作品が並ぶ。実戦の機会が少なかった江戸後期までと比べ、再び武器として実用性が高まっていく幕末維新期の特徴がうかがえる。

 熱心に鑑賞していた熊本市中央区の永池知道さん(84)と妻律子さん(85)は「信念を持って日本のために行動した人たちの人間性の高さを感じた」と話していた。(中原功一朗)

(2018年7月12日付 熊本日日新聞朝刊掲載)

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