北口氏が熊本市議復職 市議会決定、知事が取り消し

 県は12日、地方自治法の兼業禁止規定に違反したとして、熊本市議会の議決で市議を失職した北口和皇氏(60)からの不服申し立てについて、蒲島郁夫知事が11日付で失職を取り消す裁決をしたと発表した。北口氏は議決時の3月26日にさかのぼり復職した。

 裁決では、北口氏が組合長を務めていた市漁業協同組合が市から委託された業務の請負比率について、対象期間を現在の任期中である2015年度分に限定した上で事業収入の30・88%だったと算定。兼業禁止の目安となる5割を超えないと判断した。

 その算出根拠として市漁協の全体の事業収入に不動産賃料は含まないとする市議会側の主張を認めた。一方で北口氏が会長だった県内水面漁業協同組合連合会を経由した市からの再委託分は、「市と直接にはなんらの関係も生じていない」などとして北口氏側の主張に沿って請負業務から除外した。

 市議会が主張した北口氏から市へ委託を求める「強い働きかけ」については、「個別的行動」であり、議員職務の「公正、適正を損なうおそれ」に影響を与えないと結論づけた。

 熊本市議会は3月26日、北口氏が議員の影響力を行使し、漁協に市から66%を超える業務を委託させたとし失職を議決。また不当な要求を繰り返して市の業務を妨げたとして3度辞職勧告していた。

 北口氏は議決に対し4月に蒲島知事に不服申し立て。弁護士ら3人による県自治紛争処理委員が約2カ月間計4回の会合で双方の主張を過去の判例などに照らして審理し、知事に意見書を提出していた。

 北口氏は中央区選出で当選7回。復職の確定により、3月以降の議員報酬や期末手当計408万円が支払われる。(馬場正広)

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