普通鋼電炉のエネルギー効率、「日本は世界最高水準」 地球環境産業技術研究機構が調査

 公益財団法人の地球環境産業技術研究機構(RITE)が実施した鉄鋼業のエネルギー効率に関する国際比較で、電炉鋼(普通鋼)の生産プロセスで日本が世界最高水準にあることが分かった。RITEは今年、高炉一貫メーカーの転炉鋼生産プロセスについても同様の比較を実施。日本が世界最高であるとの調査結果を公表した。転炉鋼、電炉鋼ともに日本のエネルギー効率の高さが実証されたかたちだ。

 RITEの小田潤一郎・システム研究グループ主任研究員が2015年時点のデータを基に国際比較した。対象は鉄スクラップを原料に普通鋼鋼材を生産する電炉鋼プロセス。(1)予熱(2)電気炉(3)二次精練(4)連続鋳造(5)圧延―の各工程におけるエネルギー消費量を調べ、粗鋼1トン当たりの一次エネルギー消費量(原単位)を比較した。

 調査結果によると、日本の原単位は粗鋼1トン当たり8・3ギガジュールで、データがそろっている主要鉄鋼国の中で最も低い水準だった。日本を100とする指標では、韓国101、米国102などとなっており、電炉業が盛んな韓国、米国も日本に次ぐエネルギー効率だった。一方、インド、ロシアはそれぞれ113で、エネルギー効率は日本に比べ1割以上低かった。

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