西日本豪雨「沖縄からできることを」 ボランティアや義援金、支援広がる

 西日本豪雨で死者が200人に上るなど被害が拡大する中、現地で暮らす沖縄県出身者は被災者に心を寄せながら街の復旧に取り組んでいる。沖縄県内でもボランティアや義援金の協力があり、「沖縄からできることを」と支援の輪が広がっている。

<疲弊する現場>泥のかき出し重労働

 広島市に住む広島大学研究員の嘉陽礼文さん(40)=沖縄県浦添市出身=は11日夕、知り合いが多く住む広島県南西部の府中町に自転車で駆け付けた。

 同町では前日、晴れているにもかかわらず、町の中心を流れる榎(えのき)川が氾濫した。一夜明けて目の前に広がったのは、土砂や流木が至る所で道をふさぎ、車も通れない泥まみれの町。以前の穏やかな町の景色から一変し、嘉陽さんは「ぐちゃぐちゃな状態。日常が壊れたようだ」と絶句した。

 広島市の中心部から約3キロ離れた府中町。榎川周辺には小学校や幼稚園もある。氾濫の映像をニュースで見た嘉陽さんは「あれほどの勢いで流木や石が流れてくると何も抵抗できない。家屋に被害が出たが、周りの人に被害がなかったのは奇跡的」と話す。

 被災現場では、住宅地にまで押し寄せた土砂が家に流れ込まないように住民が鍬(くわ)やスコップを使って、泥かきに追われていた。嘉陽さんもアスファルトに30センチほど積もった土砂をかきだす作業を手伝った。

 この日の気温は30度超え。1時間半の作業でどっと汗が噴き出した。今後も広島では30度以上の暑さが続くことから「住民は疲弊しているように見えた。後片付けをしている中で熱中症にかかる人も増えるのでは」と心配する。

 水を含んだ泥は重く、処理にはかなりの労力が必要になる。嘉陽さんは「家の敷地内に入った泥は人の手でかきだすしかないが、お年寄りにとっては重労働。とにかく人手が必要だ」と支援を訴えた。(社会部・比嘉桃乃)

<ボランティア>沖縄県社協が職員派遣へ

 西日本豪雨で沖縄県社会福祉協議会は、現地の災害ボランティアセンターの運営を支援するため、職員派遣の準備を進めている。大規模災害時に九州各県や指定都市の社協が被災地に職員を派遣する「災害時相互応援協定」に基づく支援で、人数や活動場所が確定次第、現地に派遣する方針だ。

 全国社会福祉協議会によると12日までに、被災した12府県54市町で災害ボランティアセンターが設置された。県社協は、ボランティアセンターを通して活動を希望する個人からの問い合わせがあるため、「ボランティア活動保険」の加入を呼び掛けている。

 総務企画部の上間直子部長は「ボランティアセンターでの活動は加入証の持参が必要。被災地では混乱も想定されるので、必ず加入してほしい」と話した。災害ボランティアセンターの状況は毎日変わることから、各センターが発信する情報を確認するよう促している。

<広島県人会>沖縄で義援金呼び掛け

 西日本豪雨で大きな被害を受けた広島県の出身者でつくる沖縄広島県人会(迫幸治会長)は7日から義援金の協力を呼び掛けており、12日までに集まった募金額は10万円を超えた。約160人の会員のほか県内各企業や団体も協力。各地で募金箱設置やチャリティーイベントの動きもあるという。

 同会はフェイスブックで豪雨災害の状況を伝える広島県の行政情報やニュースなどを発信している。

 呉市出身の七條崇事務局長(41)は「呉市は被害が大きい。実家の4、5軒先の家は浸水被害もあると聞いているので心配だ」とし「義援金の呼び掛けに、那覇市商工会議所青年部などから多くの支援が届いた。募金箱を設置してくれる店舗もあり、うれしい」と話した。義援金の宛先などは同会のフェイスブックで確認できる。

<沖縄総合事務局>四国へ災害対策派遣隊

 被災地の状況を調査し、復旧を支援するため沖縄総合事務局は12日、職員6人を緊急災害対策派遣隊として、四国地方へ派遣した。派遣期間は未定。

 派遣に先立ち、那覇市おもろまちの事務局庁舎で出発式が開かれ、菊地春海次長が「これまで培ってきた社会資本の整備や管理技術を十分に活用し、頑張ってほしい」と激励した。

 隊員を代表し高良友健隊長は「被害状況の調査を迅速に行い、一日も早い被災地の復旧に貢献したい」と意気込んだ。

 同局が県外へ緊急災害対策派遣隊を送るのは、2016年4月に発生した熊本地震の復旧支援に続き2度目。

<義援金>沖縄タイムス社で受け付け

 沖縄タイムス社は、西日本を襲った記録的な豪雨により被害に遭われた方々を支援するため、義援金を受け付けます。県民の皆さまのご協力をお願い致します。

▽受付期間 7月10日(火)から(午前10時~午後5時。土日・祝日を除く)

▽受付場所

(1)沖縄タイムス社総務局総務部 郵便番号900-8678、那覇市久茂地2の2の2、電話098(860)3548

(2)北部支社 0980(53)3611

(3)中部支社 098(939)1122

(4)宮古支局 0980(72)2034

(5)八重山支局 0980(82)2104

 ※義援金は現金のみとします。右記へ直接お持ちください。現金書留の場合は本社総務部宛てにお願いします。沖縄タイムス社

広島県府中町の地図
緊急災害対策派遣隊の(前列左から)福地友博さん、高良友健さん、伊佐充さん、(後列左から)大城清順さん、目取真正樹さん、伊良波憲さん=12日、那覇市おもろまち

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