「長所生かし長期就労」 障害者雇用支援で集会 五島

 障害者の雇用促進について考える「五島市就労支援ネットワーク会議~五島よんなはれ会~」がこのほど、同市坂の上1丁目の県立鶴南特別支援学校五島分校であった。障害者を雇用する保育園の園長は「本人の長所を仕事に最大限生かすことで長期就労につながっている」と事例を報告した。
 同校と五島公共職業安定所(ハローワーク)、下五島障害者就業・生活支援センターが、2016年から共同開催し3回目。教育や行政、企業の関係者約30人が、障害特性に応じた雇用や生活支援の在り方などについて意見を交わした。
 同分校高等部には知的障害などがある1~3年生計16人が通う。参加者は「清掃」の授業が行われている教室を訪れ、生徒が役割を分担して机を動かしたり、床を掃いたりする様子を見学した。同校の担当者が、知的障害や発達障害などさまざまな障害の特徴を説明し、「特定の物事に対する強いこだわりなど、個人の特性を生かす雇用や生活支援が必要」などと説明した。
 事例報告では、市内の保育園で5年近く働く精神障害のある女性が紹介された。女性は手先が器用で絵を描くのが得意だったため、教材や遊び道具の製作を担当。次第に他の職員のサポートもできるようになり、子どもとの触れ合いを通して症状も改善しているという。その後参加者は5班に分かれて討議。職場で障害者に指導する際の方法などについて話し合った。

グループで障害者の就労促進について話し合う参加者ら=五島市、県立鶴南特別支援学校五島分校

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