【西日本豪雨】日新製鋼、呉の操業正常化へ 県工業用水が再開

 日新製鋼・呉製鉄所が正常操業に向かう見通しだ。西日本豪雨の影響で広島県の工業用水が断水し、この長期化が懸念されていたが、問題箇所の工事が進み、きょう13日から送水が再開されることになった。県工業用水の送水停止で日新・呉は著しい低操業を余儀なくされていたが、今後は正常化に向かう。ほぼ休風状態だった高炉2基の立ち上げでは、炉況を慎重に確認しながら通常操業への回復を図る。電力事情もあり、操業正常化には一定期間かかる見通し。

 広島県は6号トンネルの管理用施設(小屋浦)で土砂の流入とゲート損壊を確認。10日に土砂搬出を完了し、11日にゲート撤去を完了した。

 土砂搬出後にトンネル内の充排水作業を実施し、早期の送水にこぎ着けた。

 日新・呉は県と呉市から工業用水の供給を受けている。呉市の工業用水は停止していなかったが、県の工業用水の比率が圧倒的に高いため操業に支障が出て、船による他所からの水の手配など、長期化した場合の施策も検討していた。

 また地域支援を含めて他事業所から食料を現地に届けているほか、呉市在住者が多い従業員の交通の便を考慮し、呉の社員寮や厚生施設を開放。人的要因による生産面の制約はないという。

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