2位から6位が3.5ゲーム差にひしめく混戦のセ・リーグ
3月30日に開幕を迎え、そこから約3か月半が経過したプロ野球。各球団が80試合前後を戦い、オールスターブレイクに入った。13日に京セラドームで、14日には熊本・藤崎台県営野球場でオールスターゲームが行われる。ペナントレースは4日間の中断を挟み、16日に再開される。
前半戦のセ・リーグは広島が、3年連続優勝に向けて首位を快走。2位巨人に6ゲーム差をつけて頭1つ抜け出している。だが、2位以下は団子状態。巨人から最下位のヤクルトまでわずか3.5ゲーム差。ヤクルトは6月29日時点では2位にいたが、そこから2週間足らずで、8連敗もあって、一気に最下位まで転がり落ちた。このことからもセ・リーグの2位以下の混戦具合が分かる。
各球団がリーグ優勝を目指して戦力を整備し、臨んだ今シーズン。前半戦、戦力補強のためにチームに加えた助っ人外国人はどれほどの働きを見せたのか。外国人たちのここまでの働きを見ていき、各チームの外国人全体の働きを100点満点で採点してみた。
◯1位:広島(76試合43勝32敗1分)50点
クリス・ジョンソン投手
12試合5勝2敗0S0H 9QS 3.35
ジェイ・ジャクソン投手
30試合2勝1敗0S20H 3.03
レオネル・カンポス投手
1試合0勝0敗0S0H 0.00
ヘロニモ・フランスア投手
8試合1勝2敗0S0H 0QS 3.12
ブラッド・エルドレッド内野手
38試合80打数17安打5本塁打14打点 .213
アレハンドロ・メヒア内野手
11試合17打数5安打0本塁打1打点 .294
サビエル・バティスタ外野手
43試合139打数38安打13本塁打25打点 .273
新戦力
ジョニー・ヘルウェグ投手
首位を快走する広島だが、助っ人勢の働きは十分とはいえないだろう。ローテの柱として期待されるジョンソンの5勝は物足りない。セットアッパーのジャクソンは20ホールドをマークするが、3.03の防御率はもう少し下げてもらいたいところ。野手陣もエルドレッドがファームにおり、バティスタも代打での起用が多い。
◯2位:巨人(82試合40勝41敗1分)70点
スコット・マシソン投手
29試合0勝2敗5S14H 2.45
テイラー・ヤングマン投手
2試合2勝0敗0S0H 2QS 1.29
アルキメデス・カミネロ投手
20試合1勝1敗2ホールド11セーブ 5.79
サムエル・アダメス投手
5試合0勝0敗0S0H 1.13
クリストファー・クルソストモ・メルセデス投手
1試合1勝0敗0S0H 0QS 0.00
アレックス・ゲレーロ内野手
60試合225打数57安打10本塁打29打点 .253
ケーシー・マギー内野手
71試合254打75安打10本塁打46打点 .295
巨人はアダメス、メルセデスを育成から支配下に昇格させ、7人の外国人が1軍で出場。その中で守護神のカミネロが不調によりファームに降格、ゲレーロもコンディション不良でファームで再調整となっている。カミネロに替わって守護神となったマシソンは防御率2.45とまずまずの安定感。マギーも打率.295まで上昇させている。新助っ人のヤングマンは2軍暮らしが続いたが、初先発から2戦2勝。後半戦に向けて救世主として期待される。
ロサリオが不振の阪神は、ナバーロを緊急補強
◯3位:阪神(74試合35勝38敗1分)40点
マルコス・マテオ投手
16試合0勝1敗0S4H 5.93
ディエゴ・モレノ投手
8試合0勝0敗0S3H 2.70
ランディ・メッセンジャー投手
15試合9勝5敗0S0H11QS 3.14
ラファエル・ドリス投手
28試合1勝3敗1H19S 3.29
ウィリン・ロサリオ内野手
48試合183打数42安打4本塁打22打点 .230
エフレン・ナバーロ内野手
6試合16打数4安打0本塁打3打点 .250
1軍出場なし
呂彦青投手
打線の核として期待されたロサリオが打率.230、4本塁打と期待外れに終わり、2軍に降格。新助っ人としてナバーロを緊急補強した。投手陣でもメッセンジャーは9勝とさすがの働きぶりだが、マテオは防御率5.93と大不振で、こちらもファームへ。ドリスは19セーブをマークしているものの、すでに前半戦だけで3敗を喫し、防御率も3.29と十分な働きとは言えないだろう。後半戦は、ナバーロをはじめ、助っ人勢の活躍が浮上の1つの鍵となる。
◯4位:DeNA(78試合36勝40敗2分)60点
エディソン・バリオス投手
9試合2勝4敗0S0H 4QS 3.69
スペンサー・パットン投手
28試合3勝0敗0S17H 3.42
ジョー・ウィーランド投手
9試合3勝5敗0S0H 4QS 4.33
エドウィン・エスコバー投手
34試合2勝2敗0S10H 2.25
ホセ・ロペス内野手
49試合190打数62安打16本塁打42打点 .326
ネフタリ・ソト内野手
42試合167打数52安打9本塁打26打点 .311
DeNAは野手2人の活躍が目を引く。ロペスは打率.326、16本塁打をマーク。故障により離脱してしまっているが、その中でソトが活躍。こちらも打率.311、9本塁打と上々の成績を残しており、ロペスが復帰すれば、打線はかなり厚くなりそう。投手陣は故障で出遅れたウィーランドの状態がなかなか上がってこず、防御率4.33。パットンは17ホールドをマークするが、防御率は3.42と安定感に欠ける。
◯5位:中日(81試合37勝43敗1分)85点
ディロン・ジー投手
4試合0勝3敗0S0H 2QS 4.00
オネルキ・ガルシア投手
15試合9勝4敗0S0H 9QS 2.45
ライデル・マルティネス投手
4試合1勝1敗0S0H 0QS 5.40
ソイロ・アルモンテ外野手
81試合312打数95安打11本塁打50打点 .304
スティーブン・モヤ外野手
39試合85打数24安打1本塁打14打点 .282
ダヤン・ビシエド内野手
74試合283打数86安打13本塁打53打点 .304
外国人の働きが際立ったのは、この中日だ。投手陣ではガルシアがチームトップの9勝をマークし、防御率2.45の好成績を残している。ただ1人、開幕からローテを守っており、チームの大黒柱となっている。アルモンテ、ビシエドも打率3割を超え、ともに10本塁打超と上々の成績を残している。故障で離脱したジーが惜しかったが、助っ人の働きは12球団でもトップと言えるだろう。
◯6位:ヤクルト(77試合34勝42敗1分)60点
デビット・ブキャナン投手
16試合6勝6敗0S0H 11QS 3.33
マット・カラシティー投手
20試合5勝0敗3S1H 2QS 2.23
デーブ・ハフ投手
13試合1勝6敗0S0H 6QS 5.05
ウラディミール・バレンティン外野手
76試合273打数70安打19本塁打67打点 .256
1軍出場なし
ジョーダン・アルメンゴ投手→自由契約
新戦力
ジェイソン・ウルキデス投手
ヤクルトの助っ人勢はまずまずの働きを見せている。ブキャナンは6勝だが、16試合のうち11試合でクオリティースタート(QS、6回以上を投げて自責3以下)を達成している。好投が白星に結びつかないケースも多かった。リリーフとしてシーズンをスタートさせたカラシティーは5勝をマーク。交流戦中に先発に配置転換され、3試合のうち2試合でQSを達成。バレンティンはリーグトップの19本塁打を放っている。ハフと、自由契約となったアルメンゴは誤算。後半戦に向けてウルキデスを補強した。
(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)