「天の川こぐ船」のよう、さいたまの元荒川で灯火舟 川面に浮かぶともしび、夕焼けに映え美しく

 舟から川面にともしびを浮かべる「灯火舟」が8日夕、さいたま市岩槻区大戸の武蔵第六天神社近くの元荒川で行われた。

 灯火舟は、江戸時代の岩槻藩士で文人の児玉南柯(なんか)が、1806(文化3)年の旧暦7月8日に、元荒川で舟下りをした故事にちなんだ催しで、今年で3回目。南柯は夕月に感動し、「夕月のかげにささするみなれ棹(ざお) 天の川こぐ船かとぞ思ふ」と和歌を詠んでいる。

 灯火舟として使われた舟は、同神社の和舟と、上流の同区城町から来た和舟の2艘。神社の舟には高梨佳樹宮司と神職の関口公樹さん(35)、もう1艘には同区に住む清水享さん(62)が乗り、残照の映る川面に灯火を浮かべた。たそがれの川を、灯火を引きながら竹棹を使って進む2艘の舟は、南柯の歌の「天の川こぐ船」のようであった。

 境内からは、浦和区の調(つき)神社の吉田正臣宮司夫妻が観望。妻の幸佳さんは、灯火舟の由来の説明に熱心に耳を傾け、同宮司は「灯火舟が夕焼けに映えて美しかった」と話していた。

灯火を引いて進む灯火舟=8日夕、埼玉県さいたま市岩槻区の元荒川

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