「指示」の佐世保市 「勧告」の長崎市 避難所開設遅れる 職員不足、学校が対応も 西日本豪雨 [長崎県]

県内で初めて大雨特別警報が出た西日本豪雨で、佐世保、長崎両市が避難指示と避難勧告をそれぞれ出した時点で、避難所の開設が追いついていない状況となっていたことが分かった。避難所の管理や運営に当たる職員の不足が主因とみられるが、一方で避難所の利用は少数にとどまった。両市は避難所の開設や周知の方法を検証、改善を図る。

佐世保市は6日午前9時、宇久島を除く市全域に避難を勧告。午後3時15分には河川氾濫の危険が高まったとして、早岐・相浦地区に緊急性が高い避難指示を出した。だがこの時点で両地区27避難所のうち開設したのは4カ所だった。

市防災危機管理局は「職員数が限られ、すべて開設するのは難しい」と説明。市職員の到着前に住民が学校に身を寄せ、学校職員が対応したケースもあったという。一方、避難指示対象6万1872人のうち、実際に避難したのは0・3%の228人。周知と住民理解にも課題を残した。

長崎市の場合は「予報」に左右された。避難勧告の目安とされる土砂災害警戒情報が出たのは6日午後3時51分。気象情報会社の予報を基に「今後大きな雨量はない」と判断したが、午後5時10分、気象庁が県内の広いエリアに特別警報。気象予報も「市北部で大雨」と転じ、同45分に三重、琴海、外海3地区に避難勧告を出した。

この時点で対象地区の全避難所を開くのが理想だが、予報が外れ初動が遅れたため6カ所どまり。30カ所すべてが整った時には午後9時を回っていた。

市は避難所の管理に当たる職員を「指定要員」と任命する。だが山間部など到着に時間がかかる場所もあり、一昨年から地元自治会に管理を打診し始めたが、高齢化などを理由に受諾は1割程度。田上富久市長は「(今回の運用を)しっかり検証し、改善すべき点はあらためる」としている。

=2018/07/14付 西日本新聞朝刊=

©株式会社西日本新聞社