戦時下 若者の日常描く 創成館高演劇部  きょう平戸公演 来月、全国総文祭初出場 原爆テーマ 祈り届ける

 諫早市の創成館高演劇部(黒崎理心(りこ)部長、12人)は長崎原爆を題材に、同世代の戦時下の若者らを描いた劇「髪を梳(と)かす八月」を14日、平戸市内で披露する。8月の第42回全国高校総合文化祭(信州総文祭、長野県)での上演に先立つ巡回公演の一環。原爆という重いテーマは高校演劇では珍しく、信州総文祭での上位入賞も期待されている。
 「うちたち何もなかけど夢だけはあるよね」-。劇は長崎原爆投下の約1時間前、1945年8月9日午前10時8分から始まる。浦上の丘にある浦田家が舞台。県立長崎高等女学校専攻科の入学式を翌日に控えた主人公の洋子らが、あずきを食べ、夢を語り、母に髪をくしでとかしてもらうなど日常を過ごす一方、柱時計の針は原爆投下の11時2分に近づき、観客の緊張感は高まっていく。脚本は同部顧問の塚原政司教諭(48)。
 部員に被爆3世、4世はいない。「原爆を知らないのに演じていいの?」。葛藤しながらも被爆の実相を学び、稽古を重ねてきた。先月は、長崎市内で被爆者を救護した人たちの手記の朗読会に参加。主人公の同級生役を演じる宮本紗菜さん(2年)は「初めて地獄のような光景を想像でき、自分のことのように恐怖を感じた」と話す。
 信州総文祭の本番まで1カ月を切り、稽古にも熱が入る。黒崎部長(2年)は「全国の若い世代や長崎原爆をよく知らない人に、当時精いっぱい生きていた人たちがいたことを、そして長崎の平和への祈りを届けたい」と意気込む。
 同部は昨年12月の第59回九州高校演劇研究大会(佐賀県)で上演し、県勢で13年ぶり3校目となる最優秀賞を受賞。全国12校が参加する信州総文祭には唯一の九州ブロック代表として初出場する。巡回公演は▽14日午後2時、平戸市紐差町の市ふれあいセンター▽29日午後2時と5時、長崎市平野町の長崎原爆資料館ホール。無料。

巡回公演や信州総文祭に向けて稽古に励む創成館高演劇部=諫早市貝津町、同校

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